2004 Fiscal Year Annual Research Report
超高圧電子顕微鏡を用いた生体膜の三次元超微構造に関する研究
Project/Area Number |
15659432
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
脇田 稔 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (40018916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 恒之 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (80200822)
土門 卓文 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50217618)
高橋 茂 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (70241338)
柴山 環樹 北海道大学, エネルギー先端工学センター, 助教授 (10241564)
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Keywords | 生体膜 / 超微構造 / 電子顕微鏡 / 三次元構築 / 分子構造 |
Research Abstract |
本研究遂行のための基幹技術である、メタアクリレート樹脂包埋標本作成の基礎実験を継続して行った。 まず、標本はぐるタールアルデヒドならびにオスミック酸による化学的固定による方法により作成した。電顕用切片標本を脱樹脂により観察するという本研究の特徴を実現するために、試料は全て、メチルメタアクリレート樹脂に包埋した。アクリル樹脂モノマーは揮発性が高く、通常の方法では、重合作業中に蒸発するという致命的な欠陥がある、また、唯一密閉できる包埋カプセルでは、試料の方向性付与という重要な手順が採用できないと言う欠点がある。そこで、脱水や樹脂浸透に用いるガラス製試料ビンに包埋する方法を試みた。この場合、試料は重合前のモノマーの中で沈むので、本研究で期待する重合樹脂ブロックの中程に試料が来るようにするために種々の工夫を施した。初め、試料ビンに1cmほどのモノマーを入れ、蒸発予防の蓋をして重合する。ついで、樹脂浸透の終了した試料を置き、静かに触媒入りモノマーを1cm〜1.5cmそそぎ入れ、蓋をして重合する。重合完了後、ガラスビンを割って重合試料ブロックを取り出すと、直径2cm高さ2cm〜2.5cmの円柱形ブロックの中央に試料が浮いている状態の樹脂ブロックが得られた。この方法によって得られた樹脂ブロックは、試料本体に比べて大きすぎると言う欠点もあるが、慎重に切り出すことで、任意の断面が得られ、ブロックが大きい欠点も、切り出し作業中の試料ブロック保持野天では、通常電顕検索で用いるカプセル包埋標本より作業能率と確実性の上で優れていることがわかった。 切片をスライドガラスに貼りつける方法として、昨年度用いた未重合Epon樹脂のプロピレンオキサイド溶液を接着剤として用いる方法には、だつ樹脂走査の際に、アルコール中ならびに水中では樹脂の膨化を生じることがあり、接着剤の厚さその他種々の原因が考えられるので、現在検索中である。 電子顕微鏡画像からの三次元復構は、順調に慣熟しつつあり、破骨細胞の立体復構に成功して、海外の有名な雑誌に公表され、付図の一つが、表紙図に採用された。
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Research Products
(7 results)