2004 Fiscal Year Annual Research Report
特異的タンパク質ノックダウン法を用いた細胞外基質と骨形成シグナルの相互作用の解析
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15659441
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田村 正人 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30236757)
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Keywords | 骨芽細胞 / 骨形成 / 細胞外基質 / ノックダウン |
Research Abstract |
マウス筋芽細胞であるC2C12細胞を培養し本研究に用いた.この細胞にBMP2を加えて培養するとアルカリフォスファターゼ(ALP)活性が増加するとともに,骨芽細胞に特異的なオステオカルシンの発現が誘導され,骨芽細胞へ分化しうる.ノーザンプロット法を用い細胞接着因子のmRNA発現を検討したところ,E-カドヘリンならびにα5 integrinの発現が見られた.カドヘリンの細胞内裏打ちタンパク質であるβ-cateninはLef/Tcf1と結合してDNAに結合し転写調節の機能も有している.そこで,Lef/Tcf1応答領域レポーター(pTOP-FLASH)をC2C12細胞にトランスフェクトした.GSK-3によるリン酸化部位を欠失させた活性型β-cateninもしくはWnt3aを導入すると,pTOP-FLASHの活性は増大した.他方,non-canonical WntであるWnt-5aによっては,その活性は増加しなかった.Wnt3aと同時にBMP2を添加したところ,その活性は低下した.これらの結果から,C2C12細胞においてもWntのcanonical経路が存在しBMP2はこれに抑制的に機能することがわかった.RNAiを用いたノックダウンを行うために,α5 integrin等のインテグリンやGSK3βの一部のmRNA配列相当の合成ヌクレオチドをU6プロモーターベクターに挿入したコンストラクトを作製した.このプラスミドをC2C12細胞にトランスフェクトさせノックダウンを行い,機能解析を行ったところ,ALP活性,オステオカルシンmRNA発現の減少ならびにId1遺伝子のBMP2応答領域に対する反応性が低下し,骨芽細胞への分化が抑制された,これらの結果からインテグリンからのシグナルはβ-cateninを介して骨芽細胞分化を制御していることが明らかとなった.
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Research Products
(6 results)