2004 Fiscal Year Annual Research Report
おとり遺伝子を用いた血管新生抑制による新規の癌遺伝子治療法の開発と応用
Project/Area Number |
15659450
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石橋 浩晃 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (90254630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白砂 兼光 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (30093420)
中川 和憲 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (50217668)
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Keywords | 悪性新生物 / 血管新生 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
【目的】転写因子の結合部位を含む合成二本鎖DNA(decoy)を癌細胞核内に導入し,核内移行した転写因子と結合させて転写を抑制し,血管新生を制御するという遺伝子治療法の基礎的研究を行ったので報告する.血管内皮増殖因子(VEGF)は,TNF-αにより転写因子Sp-1を介し発現が誘導される.そこで,SP-1 decoyの効果について検討した.【材料と方法】A549(肺腺癌由来)とU251(神経膠芽腫由来)を使用した.Sp-1が結合する塩基配列を含む17bpの二本鎖DNA(wild type decoy),およびmutant type decoyをHVJ-リポソーム法により癌細胞に導入した.導入または非導入癌細胞をTNF-α(100ng/ml)で刺激し,VEGF産生をNorthern blot, ELISAにて検討した.【結果】TNF-αで促進されるVEGF mRNA発現は,mutant type decoyあるいはempty vehiclesの導入により影響を受けなかったが,wild type decoyの導入により30-50%に抑制された.さらに上清中のVEGF量はwild type decoyの導入により40%に抑制された【考察】HVJ-リポソームによるSP-1 decoyはVEGF産生の制御に有用であり,血管新生抑制による癌の遺伝子治療法として応用できる可能性が示唆された.
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