2004 Fiscal Year Annual Research Report
高速噴射成膜法(パウダージェットデポジッション法)による歯質再構築
Project/Area Number |
15659458
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐々木 啓一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30178644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
厨川 常元 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90170092)
川田 哲男 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (80292225)
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Keywords | powder jet deposition / ultra-fine particle / enamel substrate / abrasive jet machining system / high speed impact / locally energy release / mechanochemical reaction / hydroxyapatite thick film |
Research Abstract |
パウダージェットデポジッション(PJD)法によりエナメル質基板上へHA膜を生成し、(1)噴射時間 (2)噴射速度(加速圧力)を変化させた際のHA膜微細構造および機械的性質(膜厚・硬さ)を評価した。また、スクラッチ試験、電動歯ブラシによる耐磨耗試験を行った。 【方法】 ・噴射装置:ニコン社製アブレイジブジェット加工装置 ・HA粒子:粒子径2.7μm (PENTAX) ・基板:ヒト新鮮抜去歯(エナメル質) ・噴射条件:噴射距離1mm、噴射時間10,100ms,1,5,10秒、供給圧力0.8MPa、加速圧力0.2,0.4,0.6MPa、噴射角度90度、ノズル径0.8mm、搬送ガス:窒素、大気中室温 【結果】 1.HA粒子は密にパッキングされた。また、付着したHA粒子は原粒子と異なる形状であった。 2.HA膜とエナメル質基板との界面に隙間は見られなかった。 3.エナメル基板上へのHA膜の付着高さは5秒程度で飽和に至り、その平均膜厚は10μm程度であった。また、HA膜のビッカース硬さは593.2±221.6Hvで、エナメル質のビッカース硬度(604.2±87.4Hv)との間に有意差は見られなかった(P=0.37,Mann-Whitney U-test)。 4.噴射圧力が0.2,0.4,0.6MPaと上昇するにつれ、HA膜の硬度も385±137,559±143,700±108Hvと上昇した。 5.4Nの荷重でスクラッチ試験を行っても、HA膜は完全には剥離しなかった。 6.電動歯ブラシによるブラッシング(3分間)後も、HA膜は膜厚、硬さともに変化しなかった。 以上のことから、PJD法によりヒトエナメル質上にHA膜を強固に付着させることが可能であり、付着したHA膜の硬さはエナメル質と同等であることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)