2003 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠時無呼吸症候群患者の上気道形態の呼吸気流への影響
Project/Area Number |
15659469
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
川畑 直嗣 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (20144511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 格 鹿児島大学, 医学部・歯学部付属病院, 助手 (80264448)
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Keywords | 睡眠時無呼吸症候群 / 下顎前方整位装置 / 流体解析 / 上気道 / 呼吸 / 有限体積法 |
Research Abstract |
本研究では、上気道部における管腔状形態(内径、中心軸の湾曲)と、睡眠時に発生する呼吸の気流(速度、方向)を生体に近づけてシミュレーションするため、セファロレントゲン像から作成したモデルを利用し、上気道内腔の軟組織が吸引され、閉塞される可能性を検討した。 1名の睡眠時無呼吸症候群患者について、下顎前方整位装置の適用前後で得られたセファロレントゲン像の上気道の計測値を利用し、3Dモデルを2例作成した。一定速度の空気を流入させるため、気道モデルの形態修正を加え、これに、一定速度(0.5m/sec〜5m/sec、0.5m間隔)の空気を流入させ、'最大負圧の比較を行った。その結果、上気道の最大狭窄部付近で最大負圧が発生し、流速の増加に伴って指数関数的に増加する様相が得られた。また、流入させた方向とは反対方向に空気が逆流す首部位のあるととが判明した。 次に、18名の睡眠時無呼吸症候群患者について、同様に、下顎前方整位装置の適用前後での上気道3Dモデルを36例作成した。これらのモデルに、一定速度の空気を流入させ、最大負圧・最大陽圧の発生部位と大きさ、空気の走行方向について解析を行った。また、sleep labから得られた18名の症状改善の様相との比較を行った結果、両者で判定の一致したのは9名で50%であった。そこで、気道への空気流入体積を等量にするため、気道の空気流入側の口径の面積に応じて流速を調整して、36例の解析を行ったところ、18名中10名で判定一致、5名で判定が不一致、3名が判定困難で、不一致率は28%であった。これらのことは、下顎前方整位装置の適用後の効果を、あらかじめ予測できる可能性を示したものと考えている。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] S.Tsuiki, A.A.Lowe, F.R.Almeida, N.Kawahata, J.A.Fleetham: "Effects of mandibular advancement on airway curvature and obstructive sleep apnoea severity"European Respiratory Journal. 23・2. 263-268 (2004)