2004 Fiscal Year Annual Research Report
唾液腺組織のcDNAライブラリー作成と唾液腺疾患用DNAチップの開発作製
Project/Area Number |
15659473
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
丹沢 秀樹 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (50236775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜澤 一弘 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30302558)
関 直彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (50345013)
白澤 浩 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00216194)
瀧口 正樹 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40179578)
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Keywords | マイクロアレイ / 唾液腺 / 遺伝子発現プロファイリング / cDNA |
Research Abstract |
唾液腺疾患解析用cDNAマイクロアレイを独自に開発し、その有効性を培養細胞株、および実際の臨床サンプルで実証し、特に疾患と関連した遺伝子の特定を行うことを本研究の目的とした。 1)cDNA libraryをOligo-cap法により正常唾液腺組織、唾液腺腫瘍、唾液腺腫瘍由来細胞株等から作成した。その結果、778種類のcDNAクローンを有し、完全長率65%、平均インサートサイズ1.6kbの唾液腺由来cDNA libraryが得られた。発現頻度が高い遺伝子をその頻度順に列記すると、Carbonic anhydrase VI、Statherin、Histatin 1、Salivary proline-rich protein、HLA-B、Clone MGC:9575、CD74 antigen、Proline-rich protein、Alpha-amylase 2B、Cystatin Sなどで、唾液腺機能タンパク、特に免疫系遺伝子の発現が盛んに行われていた。唾液腺の最も重要な機能が免疫であることが確認された。 2)これらの778種類の唾液腺由来cDNAクローンをすでに作成してある口腔扁平上皮由来cDNA libraryに含まれる1423種類のcDNAクローンのうち唾液腺由来cDNAクローンと重複のない1237種類のクローンを加え、さらにコントロールとして36種類のcDNAを加えた合計2201種類のcDNAクローンを搭載したcDNAマイクロアレイを独自に開発作成した 3)培養細胞株を用いて本cDNAマイクロアレイの性能評価を行った。すなわち、唾液腺腫瘍由来細胞株と扁平上皮癌細胞株それぞれ4種類について、本cDNAアレイを用いて遺伝子発現プロファイリングを調べた。cDNAライブラリーのパターンと92%の精度で一致して唾液腺腫瘍と扁平上皮癌の発現パターンを分けることが出来た。また、唾液腺腫瘍特異的発現遺伝子候補を数種類特定した。 4)それらの候補遺伝子のうち、特に有望と思われた遺伝子につき、実際の臨床材料で唾液腺特異的マーカーとなりうるかどうかを検定した。特記すべき成果としては、Maspin遺伝子は唾液腺の腺房細胞相当部に特異的に発現し、WISP-2遺伝子は正常、腫瘍の別なく、唾液腺組織に特異的に発現していたことが挙げられる。
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