2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15659475
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
春日井 昇平 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70161049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 真司 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助手 (50323689)
近藤 尚知 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70343150)
朝比奈 泉 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30221039)
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Keywords | 抜歯窩 / スタチン / 顎堤 / DDS / 骨造成 |
Research Abstract |
抜歯後の顎堤の低下や矮小化は、その後の義歯やインプラントによる補綴治療に様々な弊害をもたらす。したがって、抜歯後の抜歯窩の治癒を促進し抜歯後の顎堤を保存する方法を開発することは臨床的に有用である。高コレステロール血症治療薬として臨床的に用いられているスタチン類が、骨形成促進作用を示すことが報告された(Science 286:1946-1949,1999)。本研究の目的は、抜歯窩にスタチンを適用することにより、抜歯窩の治癒促進と抜歯部歯槽骨の増加が起きるかについて検討すること、およびこの方法の安全性を確認し臨床的応用への可能性を明らかにすることである。 スタチンとしてシンバスタチンを使用した。ラットの下顎切歯を抜去した後に、その抜歯窩に種々のキャリアー(CMC、PLA/PLGA、コラーゲン、ゼラチン、硫酸カルシウム等)を用いて、シンバスタチンの量を変えて局所投与した。抜歯して4および8週後に屠殺し、下顎骨の軟X線写真を撮影し、抜歯部の骨量を骨密度測定装置により測定した。その結果、骨の増加作用は薬物のキャリアーにより大きく異なること、適切なキャリアーとしてPLA/PLGAにTCPを混合してキャリアーが適していること、ラットの切歯抜歯窩にこのキャリアーを使用した場合シンバスタチン1mgの局所投与で充分な骨の増加が認められることを確認した。この場合、組織学的には抜歯窩周囲の歯槽骨および顎骨皮質骨の著しい肥厚が観察された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kuroda S, Mukohyama M, Kondo K, Aoki K, Ohya K, Ohyama T, Kasugai S: "Bone mineral density of the mandible in ovariectomized rats : analyses using dual energy X-ray absorptiometry and peripheral quantitative computed tomography."Oral Diseases. 9. 1-5 (2003)
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[Publications] 宗像源博, 塩田真, 誉田栄一, 立川敬子, 春日井昇平: "下顎骨骨密度と閉経および年齢との関係"日本口腔インプラント学会雑誌. 16・2. 71-77 (2003)
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[Publications] 春日井昇平: "歯科における再生医療:現状と将来の展望"日本再生歯科医学会雑誌. 1. 3-11 (2003)
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[Publications] 春日井昇平: "歯根膜組織の特性と歯周組織の再生"日本炎症・再生医学会雑誌. 23. 34-38 (2003)
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[Publications] Nishimura K, Ara M, Sato D, Imai Y, Kasugai S: "Effect of local application of simvastatin to tooth socket."Journal of Dental Research. 83(印刷中). (2004)