2003 Fiscal Year Annual Research Report
口唇口蓋裂関連遺伝子の解明と発症予防に関する実験的研究
Project/Area Number |
15659479
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
菅原 利夫 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10116048)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川本 知明 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00325119)
三島 克章 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60304317)
山田 朋弘 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60335619)
|
Keywords | ENU / 突然変異 / 口唇口蓋裂 / マウス / DGGE |
Research Abstract |
本研究では口唇口蓋裂(CL/P)関連遺伝子の突然変異による遺伝的因子の解明を目的とし、既に研究分担者の山田が作製したENUによる突然変異誘発モデルマウスでの口蓋裂個体についての解析を行った。 モデルマウスはICR系マウスを用いた。10週令の雄マウスにENU250mg/kgを腹腔内投与し、それぞれの同系雌マウスと交配を行った。第一世代(G0)で観察できる表現型は優性変異、G1とG2を戻し交配させてできた第三世代(G3)で観察できる表現型は劣性変異と考えられる。その結果、G1およびG3世代で口蓋裂(CPO)発生率が増加した。また、G3世代の方が有意に発生率が高かった。口唇裂(CL)および唇顎口蓋裂(CLP)は認められなかった。従って、CPOは突然変異の影響をうけやすく、また劣性形質を示すと考えられた。そこでG3世代の口蓋裂個体のゲノムDNAの解析を行った。マウス頭部組織からゲノムDNAをQIAamp DNA Mini Kitをもちいて行った。それを鋳型DNAとして、本年度は関連遺伝子としてLhx8、Msx1およびGad1のミューテーション解析をDGGE法を用いて行った。これら遺伝子のノックアウトマウスは口蓋裂以外に致死的な異常を示さないため、最もヒトにおける口蓋裂と近いと考えられたからである。 しかしながら、当該遺伝子の各2エクソンの部位にはミューテーションは認めなかった。次年度はトータルRNAを抽出し、mRNAレベルでのミューテーションを検索し効率化を図る予定にしている。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Yamada, T., Fujiwara, K., Mishima, K., Sugahara, T.: "Effect of ENU (ethylnitrosourea) mutagenesis in cleft lip and/or palate pathogenesis in mice"International Journal of Oral and Maxillofacial Surgery. (in press). (2004)
-
[Publications] Yamada, T., Mishima, K., Mori, Y., Fujiwara, K., Sugahara, T.: "Three-dimensional anthropometry of the lips in young Japanese adults"Asian Journal of Oral and Maxilofacial Surgery. 16. 15-20 (2004)
-
[Publications] Yamada, T., Mori, Y., Mishima, K., Sugahara, T.: "Nasolabial and alveolar morphology after presurgical orthopedic treatment in complete unilateral cleft lip and palate infants"Cranio-Maxillofacial Surgery. 31. 343-347 (2003)
-
[Publications] 藤原久美子, 三島克章, 山田朋弘, 他: "両側性口唇・口蓋裂患者の顎裂及び口蓋残孔に対する治療計画について"岡山大学歯学雑誌. 22. 189-194 (2003)