2003 Fiscal Year Annual Research Report
創薬にむけての基盤研究:癌の不均一性を考えた効果的治療法の確立
Project/Area Number |
15659481
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大石 正道 九州大学, 歯学研究院, 教授 (70037505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 康介 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (00192170)
森藤 政代 九州大学, 大学病院, 助手 (90271113)
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Keywords | 癌 / 不均一性 / 浸潤・転移 / 蛍光標識 / 癌治療 / 同所性移植 / 創薬 |
Research Abstract |
癌の不均一性を考えた動物実験モデル系の作製のため,同所性移植にて浸潤・転移能に相違がある舌癌細胞株に色調が異なる蛍光標識を行った(非転移性癌細胞株:赤、RFP-SQUU-A、高転移性癌細胞株:緑、GFP-SQUU-B、中等度転移性癌細胞株:黄色、YFP-HSC-3)。それぞれの癌細胞株を単独でヌードマウスの舌に移植し、立体蛍光顕微鏡を用いて癌移植部での癌細胞の分布を検討した。移植部での腫瘍の検出感度はどの癌細胞株も良好であったが、赤は腫瘍の増殖に伴い中心部が黄色に見える所があり、赤と黄色は混和し用いることができなかったので、中等度転移性癌細胞株を青で蛍光標識し、同様に移植部での分布を検討したが、検出感度が不良なため、赤の非転移性癌細胞株と緑の転移性癌細胞株の2色で解析を行うこととした。両癌細胞株を混和したheterogeneous cancerを舌に同所性移植し、移植部での腫瘍の分布と頚部リンパ節の転移を経時的(0,7,11,14,18,21,21,42日)に観察した結果、移植部にて11日までは両癌細胞は同程度に発育したが、14日より非転移性癌細胞は徐々に減少し、42日では非転移性癌細胞はわずかしか残存せず、転移性癌細胞は著しい増殖を認め,再現性のある転移性癌細胞優勢分布の癌の不均一性を考えた動物モデルの作製と解析方法が確立した。頚部リンパ節の転移は転移性癌細胞株のみであった。現在42日にて両細胞が同等分布する系と非転移性癌細胞が優勢に分布する系を作製中である。試験管内での両癌細胞の抗癌剤感受性試験にて,チューブリン標的の抗癌剤は同等の感受性を示したが、他の抗癌剤では感受性が異なっていたものの,非転移性癌細胞に無効で転移性癌細胞に特に有効な抗癌剤を現在選定中で、試験管内にて色々な混合比のheterogeneous cancerを作製し、経時的観察および抗癌剤に対する感受性試験を行っている。
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