2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15659517
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大橋 一友 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30203897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 雅子 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (60259653)
西村 明子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20324783)
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Keywords | 妊婦 / 喫煙 / 受動喫煙 / 禁煙 / 禁煙プログラム / 尿中ニコチン |
Research Abstract |
平成15年度より行っている妊婦の喫煙実態の定点調査を継続している。計4回の調査で得た652名の結果を分析した。 (1)妊婦の喫煙率は8.4%であり、調査期間内での大きな変動は見られなかった。 (2)妊娠直前には27.9%の女性が喫煙していたが、妊娠を契機に70.0%の女性が禁煙していた。妊娠を契機に禁煙した女性には妊娠前の喫煙本数を除く喫煙に関する項目(受動喫煙の有無を含む)に差は見られなかった。以上の結果は平成15年度の研究結果と同様であった。 (3)一方、妊娠を契機に喫煙した女性の禁煙に対する意識には特徴が見られた。妊娠以前に禁煙した女性との比較では受動喫煙や本人の喫煙の状況や禁煙教育の経験などには差はないにもかかわらず、今後の禁煙継続の意志が不確実であった。妊娠以前には禁煙している女性では今後禁煙を継続すると回答が100%であったのに対し、妊娠を契機に禁煙した女性は52%のみが確実な禁煙継続を意識しており、12%は逆に出産後もしくは授乳後の喫煙の再開を意識していた。この結果より、妊娠を契機に禁煙した女性の禁煙に対する意識はむしろ喫煙妊婦と同じであり、将来の喫煙の再開の可能性を示唆していた。 (4)本年度は妊婦の随時尿を採取し、尿中ニコチンの測定に着手した。予備検討では本人の喫煙の有無については試験紙法のニックチェックが有用であり、受動喫煙の有無についてはELISA法が有用である可能性が高い。来年度以降は疫学調査の結果と尿中ニコチン測定結果とを用いて、受動喫煙と妊婦本人の喫煙に対する禁煙プログラムを作成する予定である。
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