2003 Fiscal Year Annual Research Report
看護介入効果の生理学的・数量的評価の開発(唾液中コルチゾールを指標として)
Project/Area Number |
15659523
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
松下 裕子 東邦大学, 医学部, 助教授 (70310406)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 一歩 東邦大学, 医学部, 教授 (10193038)
美ノ谷 新子 東邦大学, 医学部, 助教授 (20299986)
福嶋 龍子 東邦大学, 医学部, 助教授 (00299984)
村井 貞子 東邦大学, 医学部, 教授 (20057623)
|
Keywords | 看護介入 / 数量的評価 / ストレス / 軽減効果 / 唾液中コルチゾール / QOL / 音楽療法 |
Research Abstract |
看護によるQOL改善効果の検討について、ストレスの生理学的指標とされている唾液中コルチゾールを測定することにより、癌患者のストレスマネジメントについて客観的・生理学的視点からの評価を試みる。 ストレスの指標として、血圧、脈拍、体温の測定、唾液の採取を行い、病態、Health related QOLを調査した。Health related QOLには2、3週間前からの抑鬱傾向を反映するといわれているGHQ28を使用した。唾液については副腎皮質過形成症診断薬の血清用エンザプレートコルチゾールを使用し1999年に松下が作成した系に従い、保健科学研究所に測定を依頼した。 癌患者の精神的・肉体的苦痛の緩和と治療効果の看護介入としては、看護者の手技に差のない受動的音楽療法(ヒーリングバイブレーションという器機)を実施した。 対象者は入院し、化学療法を受ける肺ガンの患者であり、今回の分析対象者は男性8名、女性10名であり、平均年齢は67.8歳であった。 対象者の基本的な抑鬱傾向(ストレス値)GHQ28の中央値は9.5と抑鬱傾向高く、18名中一般にストレスが無いという5以下はわずか3名であった。その唾液中コルチゾール値は中央値0.127μg/dl(最小値0.03μg/dl、最大値0.37μg/dl)であり、GHQ28とのSpearmanの順位相関計数はr=0.761と強い相関を認めたことより、加療なければ余命3〜6ヶ月の対象者の不安や抑鬱感を評価可能の示唆を得た。 音楽療法前に唾液中コルチゾール値高値を示した対象者の音楽療法後値は有意に低下していた。 今後さらに症例を増やし詳細を検討する。
|
Research Products
(1 results)