2004 Fiscal Year Annual Research Report
看護介入効果の生理学的・数量的評価方法の開発(唾液中コルチゾールを指標として)
Project/Area Number |
15659523
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
松下 裕子 東邦大学, 医学部看護学科, 教授 (70310406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福嶋 龍子 東邦大学, 医学部看護学科, 助教授 (00299984)
美ノ谷 新子 東邦大学, 医学部看護学科, 助教授 (20299986)
荒井 一歩 東邦大学, 医学部看護学科, 教授 (10193038)
村井 貞子 東邦大学, 医学部看護学科, 教授 (20057623)
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Keywords | 看護介入 / 数量的評価 / ストレス / 軽減効果 / 唾液中コルチゾール / 音楽療法 / 呼吸法 / アロマセラピー |
Research Abstract |
看護介入として音楽療法、呼吸療法、アロマセラピーを実施し、QOL改善効果の数量的指標として、唾液中コルチゾール値(以降コルチゾール値)の有効性を検討した。 (1)受動的音楽療法としてヒーリングバイブレーションを実施し、ストレスの指標として、血圧、脈拍、体温、コルチゾール値の測定、病態の観察を行いGHQ28による主観的精神健康状態との関連を見た。コルチゾール値は血圧、脈拍、体温に比し療法前後に有意に低下を認めた。唾液中コルチゾールの平均値は音楽療法前値は0.171±0.132μg/dl、後値0.129±0.013μg/dlであって、前値高値の患者は有意に低下した。また、音楽療法を積極的に受け入れた対象のコルチゾール前後比(後値/前値)は心身の変化に伴い1週目〜7週目に1.1〜0.6と変化した。化学療法開始時は不安、2週目副作用、3週目副作用軽減、4週目2回目の化学療法から7週目退院への希望と情動の変化に伴い数値化された。以上より、コルチゾール値の測定は癌患者の精神的・肉体的苦痛を数量的に表すと考える。 (2)呼吸療法は22分テープを作成し、ガン患者友の会の会員集団を対象に8ヶ月間でのコルチゾールの変化を観察した。集団のGHQは全員が6以上であった。8ヶ月間において、療法前値は初回0225±0.001μg/dl、最終回0236μg/dlと再発・化学療法開始、介護負担等により高値を認めたが、8ヶ月後には入眠しやすいとの報告もあり、コルチゾール前後比は0.7から0.4へと暫時軽減した。ストレス軽減教育の評価の指標への有効性も認められると考える。 (3)アロマセラピーについては学内で学生を対象に香料による低下と嗜好性についての効果を検討した。集団のGHQは高く、香料吸入時の時間経過前後のコルチゾール値と吸入無しの時間経過前後比では吸入時に有意に低下を認めた。香料嗜好性によるストレス改善効果についてもさらに詳細を検討する予定である。
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Research Products
(4 results)