2003 Fiscal Year Annual Research Report
量子ダイナミクスを導入した新しい脳型計算機に関する研究
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15680008
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 茂雄 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (10282013)
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Keywords | 量子ビット / 人工神経回路 / 断熱的変化アルゴリズム / STM / ジョセフソン接合 / 高温超伝導 |
Research Abstract |
本年度は量子状態で定義される人工神経回路の情報処理能力を明らかにするため、まずニューロ的手法を導入した断熱的変化アルゴリズムを使った最適化問題の解法能力についてシミュレーションによって評価を試みた。物理的実現を鑑みてSi系核スピンを利用した場合を想定し、核スピンが直接相互作用するわけではなく電子を媒介とするなど各種条件を設定し、物理的制約を導入し案用的な評価とした。制限の無い理想的な場合と比較して最適解の観測確率は低下するものの、その動作自体は所望のものが得られることが判明した。また併せて散逸効果導入の効果を定量的に評価した。さらにこれまで一定値で扱ってきたシナプス荷重値を連続的に変化させた時に、最適解の確率がどのように変化するかを調べた。 製作面では、Si系核スピン、高温超伝導位相量子ビットのそれぞれについて基礎的な研究を行った。Si系ではSTMによる単原子リソグラフィー、MBEによる単結晶成長などの要素技術の確立を図った。特に基板加熱条件を詳細に検討することにより、STMリソグラフィーに必要な平坦性を確保するための実験条件を確定した。超伝導量子ビットでは、単一ジョセフソン接合が有するポテンシャルを実験により定量的に求めた。電流バイアスを交流的に加えた際の電圧状態への移行確率からポテンシャル深さを調べた。さらに実験結果に外部ノイズの影響が認められたため、精度向上のため各種フィルターの作製に着手した。 なお、以上の成果は学術論文、国際会議等で報告された。
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[Publications] S.Sato et al.: "Implementation of a New Neurochip Using Stochastic Logic"IEEE Transactions on Neural Networks. 14・5. 1122-1127 (2003)
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[Publications] S.Sato et al.: "An Approach for Quantum Computing Using Adiabatic Evolution Algorithm"Japanese Journal of Applied Physics. 42・11. 7169-7173 (2003)
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[Publications] K.Inomata et al.: "Electrical Transport Characteristics of Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+δ> Stacked Junctions with Control of the Carrier Density"Superconductor Science and Technology. 16・12. 1365-1367 (2003)
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[Publications] M.Kinjo et al.: "Quantum Adiabatic Evolution Algorithm, for a Quantum Neural Network"Proceedings of Artificial Neural Networks and Neural Information Processing ICANN/ICONIP 2003. 951-958 (2003)
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[Publications] K.Inomata et al.: "Evaluation of Junction Parameters with Control of Carrier Concentration in Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+δ> Stacked Junctions"Abstracts of International Symposium on Superconductivity 2003. 304 (2003)
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[Publications] K.Inomata et al.: "Intrinsic Properties of Cross Whisker"Abstracts of Second East Asia Symposium on Superconductive Electronics. 68 (2003)