2003 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質-視床投射結合のシナプス特性と時空間的制御機構の解明
Project/Area Number |
15680012
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
宮田 麻理子 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (70281631)
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Keywords | 視床 / 多点同時記録 / スライス / パッチクランプ / VPL / 皮質視床シナプス / 視床皮質シナプス |
Research Abstract |
平成15年度は、皮質-視床feedbackシナプスの伝達特性を明らかにするため、スライス標本を用いて、バレル皮質を刺激し視床VPL核投射神経細胞からEPSCを記録した。このEPSCは純粋なAMPA受容体の反応よりdecay time constantが遅く、薬理学的実験より30%あまりがkainate受容体によるEPSCの成分であることが分かった。現在、末梢から視床への脊髄視床路シナプスの入力と皮質視床シナプスの両方が同一の投射細胞から記録できるスライス標本を開発し、安定した記録が取れる段階に至っている。今後はこれら二つのシナプス伝達特性を詳細に解析し、シナプス特性を規定する分子を明らかにするとともに、お互いのシナプスの干渉作用つまり、どのようなタイミングで二つのシナプス入力が入ると、どのような出力になるかをシナプス可塑性も含めて解析したい。これらの成果は、視床における感覚情報処理機構を知る上で要の研究と考える。また、発達段階において、これらシナプスがどのように発達し機能的に成熟していくかについても明らかにしていきたい。 大脳皮質-視床へのfeedback投射の空間支配を観察するために、本助成金でMED 64を購入したが、解析しうる充分な結果を得られていない。原因は現在使用している視床のsliceの皮質との結合が不十分か、もしくはsliceでの電気的極性ベクトルが同じ方向を向いていないかなどであり、現在解剖学的手法も取り入れて検討中である。反対に、視床から大脳皮質への投射支配については、MED64にて時空間的興奮伝播過程が記録できている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Miyata M, Kashiwadani H, Fukaya M, Hayashi T, Wu D, Suzuki T, Watanabe M, Kawakami Y: "Contribution of Thalamic Phospholipase C β 4mediated by Metabotropic Glutamate Receptor Type 1 to Inflammatory Pain in Mice."Journal of Neuroscience. 23. 8089 (2003)
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[Publications] Hartmann, R.Blum, Y.Kovalchuk, R.Kuner, G.M.Durand, M.Miyata, M.Kano^4, S.Offermanns, A.Konnerth: "Selective Gα_q-dependence of mGluR-mediated synaptic signaling in cerebellar Purkinje cells."Journal of Neuroscience. (In press). (2004)
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[Publications] Zhang Z, Nagata T, Hayashi T, Miyata M, kawakami Y: "Intracerebroventricural injection of trazodone produced 5-HT receptor subtype mediated antinocicetion at the supraspinal and spinal levels."European Neuropsychopharmacology. (In press). (2004)