2004 Fiscal Year Annual Research Report
地域保健現場における睡眠生活指導が高齢者の心身の健康に与える効果の実証的研究
Project/Area Number |
15680017
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
田中 秀樹 広島国際大学, 人間環境学部, 助教授 (30294482)
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Keywords | 睡眠 / 高齢者 / 地域保健 / 生活指導 / 昼寝 / 笑い / 運動 / 介入 |
Research Abstract |
本研究では、睡眠、心身健康、脳機能を維持・増進する生活メニュ、援助法を開発することを目的に、調査研究および介入研究を行い主観的、行動的、生理的側面(脳機能、自律神経系活動)から検討した。まず、地域住民230名を対象に、書面で同意を得たのち、睡眠健康と習慣行動、心身健康に関する半構造化面接およびコンピュータ認知課題、脳波測定を実施した。その結果、睡眠健康の良好な高齢者は、心身健康や脳機能状態が良好であることが確認できた。 さらに、中高年者30名対象に、保健行政の中で、生活指導を4週間行い、睡眠に重要なライフスタイルの習慣づけが精神的・身体的健康、脳機能に及ぼす効果について検討した。研究意義と内容・予想される成果等について、実施前に十分な説明を全対象予定者に行い、研究協力の承諾が得られた方のみを対象として細心の注意をはらい研究をおこなった。指導は、短期集中型で、4週間の間、昼食後の短時間の昼寝と夕方の軽運動および睡眠健康教育、グループワークを週3回、全12回介入的に行った。指導に際し、睡眠に関する基礎知識と生活メニュに関する教材を作成し、睡眠健康教育に用いた。4週間の生活指導後、アクチグラフ(活動量計)、コンピュータ認知課題、脳波、皮膚電位、心電図等を用いて、行動的、生理的側面から効果を評価した。その結果、睡眠の質、コンピュータ認知課題の成績、脳機能、心身健康に有意な改善効果が確認できた。また、入眠困難性と、就床時の大脳皮質の興奮、および交感神経活動の高まりの有意な関連が認められ、就床前の脳や心身をリラックスさせる生活指導メニュの必要性が示唆された。 さらに、指導による睡眠改善効果は、被験者全員に個別にフィードバックした。また、次年度の研究に向けて高齢者用の笑い・ユーモア態度測定尺度の考案を試みた。
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Research Products
(6 results)