2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15684001
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
森岡 達史 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (80239631)
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Keywords | Mirror対称性 / 双対性 / 非可換幾何 |
Research Abstract |
障害物により進路を変える光のふるまいを解析することは、方程式が持つある種の対称性に注目することにより可能となる。この対称性は、Mirror対称性とよばれるものである。Mirror対称性の概要は以下のようになっている。 symplectic多様体と量子化Iの組を擬量子物理とよぶ。ここで、量子化Iとはsymplectic多様体上の関数を積分作用素として表現する手続きである。擬量子物理にはA模型とB模型があり、それぞれのsymplectic多様体は、A模型については余接束、B模型については重み関数をもつ複素多様体である。B模型においては、重み関数は強多重劣調和であることが仮定されている。擬量子物理は、波と粒子の双対性を記述する理論の枠組になっている。ここで、波と粒子の双対性とは、光が波と粒子の両方の性質を持っていることを意味する。擬量子物理による波と粒子の双対性の記述は、主要型方程式の解の特異性伝播定理によりなされる。symplectic同型写像を積分作用素として表現する手続きは量子化IIとよばる。A模型とB模型の間において、量子化Iと量子化IIは両立する。この関係がMirror対称性である。B模型の量子化Iは、非可換環を作用素表現するものになっている。この非可換環の構成が変形量子化に相当する。以上の対称性に注目して、今年度の研究では、狭義凸な障害物により捕らえられる高周波のエネルギー評価について考察した。研究の焦点となるのは、障害物の後ろ側に回り込む高周波の振る舞いである。これについての解析は継続中である。
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Research Products
(1 results)