2003 Fiscal Year Annual Research Report
CCDを用いた0.1から100keVに感度を持つ広帯域高性能X線検出器の開発
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15684002
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮田 恵美 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40283824)
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Keywords | 硬X線検出器 / 光子計測検出器 / CCD / シンチレータ / X線天文学 |
Research Abstract |
我々はかつてない全く新しいX線検出器を開発している。検出器の特徴は0.1keVから100keVにわたる広範囲な帯域で優れた位置分解能、エネルギー分解能、時間分解能を有することである。検出器はX線CCDとシンチレータで構成される。CCDは直接X線撮像素子として優れた性能を有するが、硅素から製造されているためにその帯域は10keV以下に制限されていた。そこで我々はCCDの裏面に原子番号の大きなシンチレータを直接塗布することで、CCDを透過した高エネルギーX線をシンチレータで吸収することができる。シンチレータで吸収されたX線はそのエネルギーに比例した数の可視光を放出する。CCDは可視領域に置いても優れたイメージャーとして働くため、シンチレータの放出光を同じCCDで検出することが可能となる。つまり、CCDの裏面にシンチレータを塗布することによりこれまで検出できなかった高エネルギーX線を検出することができる。 一般にシンチレータからの放出光は大きく広がるため、シンチレータを使った検出器では高い位置分解能が得られない。そこで我々はCsl(Tl)に注目した。Csl(Tl)はその結晶を柱状に成長させることができる。柱状に成長させた結晶を用いることより、放出光の横方向の広がりを抑えることができ、その結果位置分解能を大きく向上させることができる。 我々は、CCDに直接Csl(Tl)を堆積する技術を開発し、実際にCsl(Tl)を直接堆積させたCCDを製作した。X線を用いてこの検出器を評価した結果、エネルギー分解能は50%程度であることが判った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] E.Miyata et al.: "Novel Photon-Counting Detector for 0.1-100keV X-ray Imaging Possessing High Spatial Resolution"Japanese Journal of Applied Physics. 42. L1201 (2003)
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[Publications] E.Miyata et al.: "Measurement of the Charge Cloud Shape Generated in the Fully Depleted Back-Illuminated Charge-Coupled Device"Japanese Journal of Applied Physics. 42. 7135 (2003)
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[Publications] E.Miyata et al.: "Proton Irradiation Experiment for X-ray Charge-Coupled Devices of the Monitor of All-Sky X-ray Image Mission Onboard the International Space Station : II. Degradation of Dark Current and Identification of Electron Trap Level"Japanese Journal of Applied Physics. 42. 4564 (2003)
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[Publications] H.Tsunemi, J.Hiraga, E.Miyata et al.: "Radiation Hardness of the Notch Structure Inside the Charge-Coupled Device"Japanese Journal of Applied Physics. 42. 1816 (2003)
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[Publications] 杉山清寛, 福田光順, 山中千博, 下田 正 編: "物理学実験"大阪大学出版. 187 (2003)