2004 Fiscal Year Annual Research Report
活動的銀河中心核の構造と進化-高精度数値モデルによる新展開-
Project/Area Number |
15684003
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
和田 桂一 国立天文台, 理論研究部, 助教授 (30261358)
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Keywords | ALMA / 数値流体 / 爆発的星生成 / 銀河形成 |
Research Abstract |
本研究では、(1)AGN近傍100パーセク以内の星間ガスの構造、進化、力学、質量降着の理論モデルの構築、(2)爆発的星形成、AGNからの輻射フィードバックの影響の解明、(3)将来の高精度観測との直接比較を目指した輻射輸送計算に基づいた「観測的可視化」手法の開発、を行い、さまざまなタイプのAGNの統一的解釈、AGNの宇宙論的進化について新たなパラダイムの確立を目指している。今年度は、上記(3)に関連した一酸化炭素の輝線強度分布の3次元非局所熱平衡輻射輸送計算を行い、次世代電波干渉計であるALMAによる高精度の観測結果と直接比較しうる結果を世界で始めて得た。AGN近傍ガスがきわめて非一様な構造になること、それをALMAで観測可能なこと、とくにCO(J=3-2)輝線が分子ガス質量の推定に適していること、などを示した(Astrophysical Journal誌に発表)。 また、(1)に関連して、銀河中心核の形成過程についての3次元流体計算を行い、高赤方偏位宇宙での銀河中心核と渦巻き銀河全体が共成長することを明らかにした。さらに、輻射抵抗の理論モデルと組み合わせることにより、銀河中心の巨大ブラックホールの銀河形成における成長過程を理論的に調べ、赤方偏移が4付近で10万太陽質量程度の巨大ブラックホールが我々の銀河系の1/10程度の小銀河に形成されうることを示した(Astrophysical Journal誌に発表)。 また、ハワイマウナケアのIRTF望遠鏡で、セイファート2型銀河のLバンド分光観測を行い、セイファート1型銀河と同様にスターバーストを伴っていること、AGNの強度とスターバーストの強度に正の相関があることを見いだし、理論モデルとの比較検討を行った(Astrophysical Journal誌に発表)。
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Research Products
(4 results)