2004 Fiscal Year Annual Research Report
低温・高圧力下の新しい電気・光物性測定装置の開発と強相関電子系物質の量子相転移
Project/Area Number |
15684007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加賀山 朋子 大阪大学, 極限科学研究センター, 助教授 (40274675)
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Keywords | 高圧 / 複合極限 / 強相関電子系 / 量子相転移 / 希土類化合物 / 電気抵抗 / 光学測定 / 構造解析 |
Research Abstract |
ヘリウム循環型の冷凍機を拡張して用途・圧力範囲に応じてピストン・シリンダー型あるいはダイヤモンドアンビルセル(DAC)等の高圧装置を組み込み、簡便に0.5K程度(ヘリウム3減圧の場合)の低温で高圧下の電気・光学測定ができる装置を開発した。今年度新たに冷凍機にはDAC駆動用のガス圧系統を配管し低温下での圧力制御が可能になった。これにより実験が簡便になったのみならず高い反応性のため低温下での加圧が必要なLi等の物性測定にも使用することができるようになった。また、分光計を拡張し既設のレーザ光源のファイバー系による導入をおこない、冷凍機内のDACを用いたラマン分光を可能にした。これにより、低温・高圧下のラマン測定のみならず、ルビー蛍光法を適用することのできない超高圧力下においてもダイヤモンドアンビルのラマンシフトにより圧力を決定することが可能になった。さらに、高圧力下の超音波測定用のピストンシリンダー型高圧容器を作製しテストを開始した。 また、RSb_2シリーズ(R=La、Ce、Pr、Nd、Sm)で懸案であった圧力誘起の構造相転移が放射光(Spring-8)を用いた圧力下の構造解析により明らかとなり、高圧相の構造を決定することができ、比較的2次元性の高い結晶構造であったのが圧力下では3次元性が高まることがわかった。これにより、圧力下で強磁性転移温度が低下していきさらに高圧力下で電気抵抗の温度依存性から見いだされていたCeSb_2の量子臨界現象は3次元性の高い高圧相において起こっていることがわかった。また、PrSb_2においてCDWであると見られている相は圧力誘起構造相転移が起こる前の2次元性の高い結晶構造のまま加圧によって消失することがわかった。
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Research Products
(6 results)