2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15684009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新谷 昌人 東京大学, 地震研究所, 助教授 (30272503)
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Keywords | レーザー / 干渉計 / 絶対重力 / 地面振動 / 重力計 |
Research Abstract |
本研究計画では絶対重力計の小型化の研究を発展させ、野外観測可能な実用型の小型絶対重力計を製作し、性能評価をおこなう。具体的には、いわゆる投げ上げ式絶対重力計を製作する。今年度は小型・軽量の絶対重力計として動作するシステムの完成をめざした。 鏡の投上げ時の回転が許容量より1桁程度大きいことがこれまでの問題であった。これは投げ上げる瞬間に投げ上げ台から振動が加わることや投げ上げ鏡の脚と台座との接触抵抗により余計な力が加わることが原因であると考えられる。そこで、鏡に加えられる振動を低減するために投げ上げ台の振動を測定したところ、使用しているガイドのバネの強い共振による振動が見られた。バネを取り外し、代わりのバネに振動ダンパーを組み込むことで共振を抑えることができた。また、接触抵抗の寄与を低減するためにピエゾ素子(任意波形発生装置で駆動)を投上台に組み込み、投げ上げ直前に下向きに駆動することで鏡に加わる接触抵抗の相互作用時間を大幅に低減することができる。以上二つの改良は回転を抑えるのに有効であることがわかった。 軽量化するためのアルミ製超高真空容器については(株)日造精密研磨と打ち合わせ、電解複合研磨による脱ガス低減処理の仕様を検討した。高真空を得るために不可欠なターボ分子ポンプとして、野外にも持ち運び容易な小型で軽量なものを購入した。レーザー光源に関しては、当初予定していたオフセットロックタイプヨウ素安定化He-Neレーザは必要な性能値をメーカーで測定・保障していないことがわかり、急遽、こちらで新規に開発することになった。既製のヨウ素安定化レーザーと今年度開発した無変調レーザーを同時に動作させれば当初の目的を達することができるので、来年度はそのような構成で研究を進める。
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