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2004 Fiscal Year Annual Research Report

活性酸素種の反応機構解明

Research Project

Project/Area Number 15685003
Research InstitutionThe Institute of Physical and Chemical Research

Principal Investigator

高口 博志  独立行政法人理化学研究所, 鈴木化学反応研究室, 研究員 (40311188)

Keywords励起酸素原子 / 交差分子線 / 状態選別微分散乱断面積 / 非断熱遷移 / スピン軌道状態
Research Abstract

真空紫外レーザー光解離法を用いた励起酸素原子(O(^1D))線を開発して、散乱実験が可能となる原子線強度を達成した。予備測定として、重水素分子との反応性散乱(O(^1D)+D_2→OD+D)を行い、生成D原子の散乱分布をライマンα線によるイオン化法を用いて観測した。この散乱画像を対象として、交差分子線散乱画像観測法で得られる画像データ解析法を開発した。画像分解能を評価した後、O(^1D)と塩化水素との散乱実験(O(^1D)+HCl→OH+Cl(^2P_J))を行い、生成Cl原子のスピン軌道状態選別微分散乱断面積を測定した。大きな前方散乱成分を持つ特徴的な分布が観測され、これによりこれまで定性的に示唆されていたHOC1長寿命反応中間体を経由する反応機構ではなく、直接的な機構で反応が進行することを明らかにした。また、測定された散乱画像の解析の結果、OH生成物が大きな内部エネルギー分配を持って放出されていることがわかった。最新の理論研究では、基底状態での深い二重井戸型ポテンシャルにも関わらず、長寿命の反応中間体は存在しないことが示唆されているが、本測定結果はこれを支持するものである。また、励起状態の反応への寄与に関する理論計算によると、励起状態上の反応エネルギー障壁は、本散乱実験を行った衝突エネルギーより低いとされている。非断熱遷移による励起状態の反応への関与により、OH生成物の振動励起が促進された結果が測定されたものと考えられる。検出は生成Cl原子のスピン軌道状態(^2P_<3/2>、^2P_<1/2>)を分離して行った。スピン軌道励起状態C1^*(^2P_<1/2>)は反応途中の非断熱遷移により生成すると理論的には説明されてきたが、本散乱画像測定の結果は、非断熱遷移確率は10%程度であり、非断熱遷移は生成系漸近領域で生じていることを示している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2004

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] Spin-orbit Conserving and Changing Transitions in Inelastic Scattering of NO(^2Π) + Ar2004

    • Author(s)
      H.Kohguchi, T.Suzuki
    • Journal Title

      Physics Scripta T110

      Pages: 312-318

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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