2004 Fiscal Year Annual Research Report
生分解性高分子の高強度化と生分解性に及ぼす分子鎖構造および高次構造の解明
Project/Area Number |
15685009
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
岩田 忠久 独立行政法人理化学研究所, 高分子化学研究室, 副主任研究員 (30281661)
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Keywords | 生分解性高分子 / 物性 / 生分解性 / 結晶構造 / 分子鎖構造 / 繊維 / ポリヒドロキシブチレート / 高強度化 |
Research Abstract |
遺伝子組換え大腸菌により生合成した分子量300万以上の超高分子量ポリ[(R)-3-ヒドロキシブチレート](P(3HB))を用いて高強度繊維を作製し、繊維中の分子鎖構造を大型放射光のマイクロビーム回折により詳細に解析した。非晶質繊維の冷延伸・二段階延伸法により作製された直径40ミクロンの単繊維に、フレーネルゾーンプレートを用いて0.5ミクロンにまで収束した放射光を、繊維方向に対して垂直に2ミクロンの間隔で照射した。その結果、繊維の外側にはα構造と呼ばれる2回らせん構造を有する結晶が、繊維の中心部分にはα構造に加え、β構造と呼ばれる平面ジグザグ構造を有する結晶の2種類が存在することが分かった。すなわち、高強度繊維は、2種類の分子鎖構造を持ち、それらが局在する、芯鞘構造であることが分かった。 さらに、野生の微生物が生合成する分子量数十万のP(3HB)からでも高強度繊維を作製する技術の開発を行った。その結果、次のような手法により高強度繊維が作製できることを見いだした。1)180℃で溶融押出した後、氷水中で巻き取ることにより非晶質繊維を作製する。2)氷水中で一定時間、等温結晶化を施す。3)等温結晶化後、室温にて延伸器により所定倍率まで延伸し、熱処理を施す。この方法により、破壊強度700MPaを有する繊維の作製に成功し、汎用高分子並みの強度を得ることが出来た。この繊維中にもα構造とβ構造の両方が存在することが、X線回折により分かった。
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Research Products
(6 results)