2003 Fiscal Year Annual Research Report
超低速イオンを用いたシャロードープ層の原子レベル深さ分析
Project/Area Number |
15686004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永富 隆清 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90314369)
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Keywords | 低速イオン / 高分解能深さ分析 / 低速イオン銃 / オージェ電子分光法 / 絶縁物 / 帯電 / イオン化断面積 / エミッター |
Research Abstract |
本研究では、超高真空対応の高性能超低速イオン銃を開発し、超低速イオンと固体表面との相互作用に関する知見を得、さらに,「原子レベルでのシャロードープ層の深さ分析技術の確立」を目指している。本年度は、超低速イオン銃の試作とその特性評価、超低速イオンを用いた高分解能深さ分析、並びにAESの定量性向上に関する研究を行った。得られた成果は以下の通りである。 1.超低速イオン銃を試作し、その特性評価を行った結果、分析装置の真空度を超高真空に維持した状態で100eVにおいても〜20μA/cm^2という高電流密度を得た。 2.傾斜型の円筒鏡型分析器を用たオージェ電子分光(AES)深さ分析により得られる深さプロファイルを正確に解析するために、ミキシング-表面荒れ-情報深さモデルの拡張を行い、その有用性を確認した。 3.開発したイオン銃を用いた深さ分析により、これまでにない1nmの高深さ分解能を達成した。 4.超低速イオン誘起ダメージ層の透過型電子顕微鏡観察により、入射イオンの低エネルギー化、低入射角化が、深さ分解能の向上に非常に有効であることを確認した 5.半導体の深さ分析において、AESでは不可能であるドーパント分析を、AESシステムを用いた仕事関数測定により行えることを明らかにした。 6.これまで報告がない、超低速イオン照射によるエッチングレートの材料依存性を見出した。 7.絶縁物の分析において問題となる絶縁物の帯電について、荷電粒子照射に伴う表面電位の変化や電界放出による電子放出の変化などに関する知見を得た。 8.AESの定量分析において重要となるイオン化断面積の評価を行った。 9.半導体の分析において必要とされる高性能エミッターについて、その優れた性能にも関わらず未だ実用化されていないSc-O/W(100)エミッターについて、温度の制御が重要なパラメータの一つであることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] J.Kato, T.Nagatomi, Y.Takai: "Transmission Electron Microscopy Study of Damaged Layer on GaAs Surface Induced by Low-Energy Ion Irradiation"Journal of Applied Physics. Vol.94 No.11. 6372-6375 (2003)
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[Publications] Y.Mizuhara, J.Kato, T.Nagatomi, Y.Takai, M.Inoue: "Analysis of Dopant Concentration in Semiconductor Using Secondary Electron Method"Japanese Journal of Applied Physics. Vol.42 No.6B. L709-L711 (2003)
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[Publications] T.Bungo, Y.Mizuhara, T.Nagatomi, Y.Takai: "Extension of MRI Model for Auger Electron Spectroscopy Sputter-Depth Profile Using Tilted Cylindrical Mirror Analyzer"Japanese Journal of Applied Physics. Vol.42 No.12. 7580-7584 (2003)
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[Publications] Y.Mizuhara, J.Kato, T.Nagatomi, Y.Takai, T.Aoyama, A.Yoshimoto, M.Inoue, R.Shimizu: "Novel Floating-Type Low-Energy Ion Gun for High-Resolution Depth Profiling in Ultrahigh Vacuum"Surface and Interface Analysis. Vol.35 No.4. 382-386 (2003)
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[Publications] T.Bungo, Y.Mizuhara, T.Nagatomi, Y.Takai: "Extension of MRI Model for Auger Electron Spectroscopy Sputter-Depth Profile Using Tilted Cylindrical Mirror Analyzer"Japanese Journal of Applied Physics. Vol.42 No.12. 7580-7584 (2003)
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[Publications] Y.Mizuhara, T.Bungo, T.Nagatomi, Y.Takai, S.Suzuki, K.Kikuchi, T.Sato: "Development of ultrahigh vacuum floating-type low-energy ion gun with differential pumping facilities for high-resolution depth profiling"Surface and Interface Analysis. Vol.36(in press). (2004)