2004 Fiscal Year Annual Research Report
SPクリープ法の高温環境強度その場計測への新展開と経年構造物の寿命延伸への適用
Project/Area Number |
15686005
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
駒崎 慎一 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (70315646)
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Keywords | SPクリープ試験 / 標準クリープ試験 / クリープ破断強度 / CrMoV鋳鋼 / 低放射化フェライト鋼 / 核融合炉材料 / 経年劣化 / 余寿命評価 |
Research Abstract |
平成16年度に得られた主な研究成果は次のとおりである。 (1)約10万時間供用されたCrMoV鋳鋼製主要弁に対して、SP試験片を用いて、クリープ特性を調査するとともに、標準一軸クリープ試験から得られた結果との比較検討を行った結果、以下の知見が得られた。SPクリープ試験より、主要弁ケーシングのクリープ破断強度は未使用材に比べ低下しており、長期供用によるクリープ強度の低下が認められた。また、SPクリープと一軸クリープの結果から得られたLarson-Millerパラメータ曲線の比較から、次式の関係が求められた。 SPクリープ荷重(N)/一軸クリープ応力(MPa)=2.4 式(1) この相関関係を用いることによって、SPクリープの結果より標準一軸クリープ試験結果を推定することが可能である。 (2)低放射化フェライト鋼JLF-1(Fe-9Cr-2W-0.2V-0.08Ta)は、核融合炉用構造材料の第一候補として研究が進められている。実用化にあたっては、実際の核融合環境を模擬した照射を伴う各種試験が重要となる。しかし一度に照射可能な容積には限界があり、より試験片の小型化が望まれている。このような背景から、JLF-1のクリープ特性をSPクリープ試験により評価するとともに、標準一軸クリープ試験結果との相関について検討し、SPクリープ試験法によるクリープ特性評価の有効性について調査した。その結果、本実験で得られた応力と荷重の関係は、式(1)と同様になり、理論解析より報告されているものと比較的近い値となった。本研究で得られた結果は、低放射化フェライト鋼JLF-1においても、小型平板試験片を用いたSPクリープ試験によるクリープ特性評価が可能であるということを示唆していた。
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Research Products
(5 results)