2004 Fiscal Year Annual Research Report
自由度縮退を利用したヒューマノイドロボットの全身協調力制御
Project/Area Number |
15686012
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
近野 敦 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90250688)
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Keywords | ヒューマノイドロボット / 力制御 / 全身協調 / 自由度縮退 / 特異姿勢 |
Research Abstract |
小型ヒューマノイドロボットを用いて,動的に大きな力を環境に作用する研究を行った.大きな力を発生させるには,身体の姿勢も重要であるが,静的に力を作用するだけでは限界がある.そこで本年度は,ヒューマノイドロボットの身体全体を運動連鎖させ、蓄積・伝達される運動量を力積として加えることで望みの力を生み出すという手法について研究を行った.この手法は,腕部や脚部などに備えられた個々のアクチュエータの駆動力だけでは,作業対象に対して十分な力を与えられない場合に非常に有効な手段である.運動量を増大させるには,質量を増大させるか速度を増大させるかのどちらかであるが,人間もヒューマノイドロボットも質量を変化させることはできない.したがって,大きな運動量を蓄積するためには,環境と接触する部位の速度を増大させる必要がある.そこで,身体全体を運動連鎖させ,手先速度が最大になるような動作軌道について研究した.実作業例として,空手の板割りを取り上げた.小型ヒューマノイドロボットを用いた板割り実験を行い,腕を振るだけでは割れなかった厚さ3mmのバルサ材,厚さ2.3mmのベニヤ材を,身体全体を運動連鎖させることによって割ることができることを確認した.静的に力を作用させるだけでは達成できないような作業が,環境と接触する部位の,接触直前の速度を最大にするような軌道を生成することで,達成可能であることを実験的に示した.
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Research Products
(6 results)