2004 Fiscal Year Annual Research Report
イオン排泄・再吸収メカニズムの膜蛋白細胞内局在機構からの解明
Project/Area Number |
15689005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
種本 雅之 東北大学, 病院, 助手 (40303945)
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Keywords | イオンチャネル / トランスポーター / 高血圧 / 腎臓 / 細胞内局在 / 尿細管 / 再吸収機構 / ホメオスターシス |
Research Abstract |
本年度の研究では、腎臓でのイオン排泄・再吸収メカニズムの調節因子として、体液ホメオスターシスや血圧コントロールにおいて重要な役割を果たすことを明らかにしていた遠位尿細管基底膜側カリウムチャネルに関して、その構成因子を明らかにすると共に、その機能発現を制御するシグナルを同定した。 遠位尿細管基底膜側カリウムチャネルの電気生理学的特性と、チャネルサブユニットの発現分布の解明から、このチャネルの主たる構成因子がKir5.1/Kir4.1 heteromerであることを解明した(Am J Physiol Renal Physiol 2004;287:F1148-53)。 更に、Kir4.1サブユニットのカルボシキル末端に、このチャネルの機能発現を制御するシグナルが存在することを解明し、そのシグナルが2つの異なる特徴的なアミノ酸により構成されていることを解明した(投稿中)。酵母を利用した蛋白間結合の検出法により、このシグナルを認識する蛋白の候補の同定にも成功しており、その全配列の解明により、腎尿細管におけるイオン排泄・再吸収メカニズムに関与するプロテオミクスの理解に基づき、体液ホメオスターシスや血圧機構の破綻に対する新たな治療法の解明が期待できる。 また、血圧調整機構の破綻により生ずると考えられる高血圧疾患に対する臨床治療の立場から、二次性高血圧の主因の一つである腎血管性高血圧の早期診断法の指標を明らかにすると共に(Hypertens Res印刷中、Urology印刷中)、その新たな治療法の提示を行った(J Vasc Surg印刷中)。
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Research Products
(12 results)