2003 Fiscal Year Annual Research Report
レプチン抵抗性に基づく肥満及びリスクファクター集積の疫学的病態モデル構築
Project/Area Number |
15689011
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
八谷 寛 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30324437)
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Keywords | レプチン / 体重変化 / 縦断研究 / 生活習慣 / レプチン抵抗性 |
Research Abstract |
血清レプチン値の個人差がその後の体重変化にいかなる影響を及ぼすかを調べるために、1997年から心血管疾患に関するコホート研究として追跡している某職域集団の2002年まで5年間の体重変化に着目し、ベースライン時血清レプチン値との関連を調べた。研究への協力に関する文書による同意の確認ができたもののうち、生活習慣アンケートを提出し、人間ドック型健康診断を受診し、がん既往、糖尿病薬物治療歴のない767人を対象とした。レプチン値は、RIA二抗体法によって測定した。なお本研究プロトコルは名古屋大学大学院医学系研究科の倫理委員会の承認を得ている。 対象者の平均年齢は48.0歳で、平均Body-mass Index (BMI)及び血清レプチン濃度はそれぞれ23.3kg/m2、32ng/mlであった。ベースライン時の血清レプチン濃度四分位(低値群からQ1〜Q4)による追跡期間中の体重変化平均値はQ1、Q2、Q3、Q4の順に+0.49kg、+0.15kg、-0.61kg、-0.99kgであった(P<0.001,一元配置分散分析)。しかしベースライン時のBMIと年齢を共変量として補正した共分散分析では、この関連は明らかに減弱し、有意差は消失した。 肥満者において血清レプチン四分位の上位2群を肥満・高レプチン血症者とし、それらの者における体重増加のリスク要因を多重ロジスティック回帰分析により検討した。89人の該当者のうち34人(38%)が体重増加を示した。1-24本の喫煙習慣、軽度飲酒はそれぞれ4.07(対非喫煙)、5.25(対非飲酒)のオッズ比を示し、体重増加の有意なリスク要因であった。また中等度飲酒もオッズ比3.96で境界有意であった(P=0.071)。
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