2003 Fiscal Year Annual Research Report
NotchシステムによるTリンパ球活性化制御機構の解明とその臨床応用
Project/Area Number |
15689016
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
安友 康二 徳島大学, 医学部, 教授 (30333511)
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Keywords | Notch / ヘルパーT細胞 / 膠原病 / 癌 |
Research Abstract |
CD4陽性Tリンパ球は抗原刺激により、1型(Th1)あるいは2型(Th2)ヘルパーTリンパ球へと分化する。Th1とTh2分化の異常により感染症や膠原病の疾患感受性が劇的に変化することが知られており、その分化機序を明らかにすることは非常に重要である。申請者はこれまでの研究により、CD4陽性Tリンパ球を抗原刺激と同時にNotchリガンドの一つである、Delta1によって刺激すると、選択的にTh1が誘導されることを見出した。さらに、抗原刺激はもう一つのリガンドであるJagged1による共刺激では、CD4陽性Tリンパ球の活性化が「完全」に阻害されることを見いだした。つまり、NotchリガンドとNotch分子の相互作用により、CD4陽性Tリンパ球の分化および活性化が精巧にかつダイナミックに統御されていることが示唆される。以上の研究結果より、本研究ではNotchシステムによる成熟Tリンパ球の活性化統御機構を解明し、それを用いた新規の免疫療法を確立することを研究目的とする。平成15年度には、マウスにDelta1を投与することにより、Th1分化が著明に促進することを明らかにした。また、その結果、マウス悪性腫瘍の拒絶をDelta1投与で促進させることが可能であることも明らかにした。本結果は、Delta1を用いた腫瘍免疫療法を期待させる。しかし、Delta1の効果がCD4陽性Tリンパ球に限定されているのかについては今後の課題であると思われる。
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Research Products
(1 results)