2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト不死化歯根膜細胞の作成とクローニング及び歯根膜細胞に特異的な分子の検出
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15689024
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前田 英史 九州大学, 大学病院, 講師 (10284514)
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Keywords | 歯根膜細胞 / telomerase reverse transcriptase / PLAP-1 / Runx2 / EGFR / ALP / OPN / RT-PCR |
Research Abstract |
(1)歯根膜線維芽細胞の不死化 矯正治療の目的で九州大学病院を受診した患者様に、今回の研究内容について十分に説明を行い、抜歯後の歯牙の利用に同意が得られた4名のボランティアの歯根膜線維芽細胞を用いて実験を行った(今回の研究は九州大学歯学研究院の生命倫理委員会にて認可されている)。歯根膜線維芽細胞に対するhuman telomerase reverse transcriptase(hTERT)の遺伝子導入は、当初予定していたリポフェクション法では導入効率が悪かったことから、エレクトロポレーション法に変更することによって導入効率を上げることに成功した。さらにPuromycinにて選択を行い、hTERT遺伝子を持った不死化細胞の樹立に成功した。 (2)不死化歯根膜細胞のキャラクタリゼーション 歯根膜細胞のクライテリアが少ないことから、最近歯根膜細胞によって強く合成されると報告(Gene.275:279-286,2001;J Cell Sci.115:4191-4200,2002)されたperiodontal ligament associated protein-1(PLAP-1)、runt-related transcription factor-2(Runx2)、EGF receptor(EGFR)や、従来より歯根膜細胞が発現することが報告されているアルカリ性フォスファターゼ(ALP)やオステオカルシン(OCN)、オステオポンチン(OPN)、骨シアロプロテイン(BSP)等の発現をRT-PCR法を用いて解析を行った。方法として、不死化した歯根膜線維芽細胞をプライマリー細胞と比較することによって行った。その結果、PLAP-1の発現は減少したものの、他の遺伝子発現は維持されており、正常細胞の形質を維持した細胞株が得られたと考えられる。PLAP-1の発現の低下が細胞株全体を通して減少したものなのか、あるいは発現細胞の比率が低いことによるものなのかは、細胞のクローニングを行うことによって明かにすることが可能であると考えている。
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Research Products
(1 results)