2003 Fiscal Year Annual Research Report
階層型クラスタシステム上のOpenMPプログラム翻訳実行環境の開発に関する研究
Project/Area Number |
15700033
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
南里 豪志 九州大学, 情報基盤センター, 助教授 (70284578)
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Keywords | 階層型クラスタ / OpenMP / 通信最適化 / データ依存解析 |
Research Abstract |
本研究では、階層型クラスタシステムの性能を最大限に利用するOpenMP翻訳実行環境の開発を行っている。 特に今年度は、データ配置と転送の最適化技術について開発を進めた。 階層型クラスタシステムの性能にはクラスタ間のデータ転送が大きく影響する。そこで、コンパイル時の解析結果を基にしたプログラムの最適化が重要となる。そこで現在、コンパイル時の解析には筑波大学等で開発されているOpenMPコンパイラOmniの解析ルーチンを元にしたプログラム解析ツールの開発を進めている。このツールの動作は以下のとおりである。まずプログラム中に存在するデータ依存関係を解析し、必要となるデータ転送を導出する。この情報と、スレッドのクラスタへの割り当てに関する情報を組み合わせ、クラスタ間のデータ転送に関する情報を得る。クラスタ間のデータ転送では、通信路に存在する遅延時間が大きいため、通信量だけでなく通信頻度も問題となる。すなわち、送信側、受信側が同じクラスタ間通信が連続して発生する場合、それらを一括して行うことにより、大幅な性能向上が図れる。さらに、クラスタ間通信で得たデータをクラスタ内のノードで共有出来れば、通信量も削減できる。これも、データ転送の情報と、スレッドのクラスタ内ノードへの割り当て情報を組み合わせることにより実現できる。 ただしデータの一括転送を行う場合、データの発送のタイミングが遅くなるため、最適な通信方法はクラスタ間の基本的な通信性能に依存する。そこで、東京大学、京都大学、北海道大学の研究者と協力し、MPICHを用いた遠隔通信性能の計測を行った。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 佐藤 周行, 南里 豪志, 長尾 光悦, 高井 昌彰, 平野 彰雄: "An MPICH-G Network on SuperSINET and its Performance"情報処理学会研究会報告. HPC-97-8(未発行のため、掲載ページ不明). (2004)