2003 Fiscal Year Annual Research Report
プロセスの適応的動作を実現する複数計算機を管理可能なオペレーティングシステム
Project/Area Number |
15700037
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
芝 公仁 龍谷大学, 理工学部, 助手 (00351346)
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Keywords | オペレーティングシステム / 分散システム / メモリ管理 / ガーベジコレクション |
Research Abstract |
本研究は,様々な異なる環境を有する機器やネットワークが混在する環境において,各々の機器の特徴を活かした有効な資源利用を実現することを目的としている. 有効な資源利用を実現するために,実際に計算機資源を使用するプロセスが適切に動作できるような環境の構築を行った.特に,プロセスが動作する際に必須の機能であるファイル管理について検討し,位置透過に動作しサービスを提供するファイルシステムを構築した.本研究成果は,情報処理学会論文誌に発表している.また,位置透過なプロセスの実行を実現する際には,計算機間での様々な協調が必要になる.特に,プロセスのコード・データ・スタックを保持するメモリ管理は重要であり,分散環境でのメモリの冗長性を利用して耐障害性を向上させる手法について検討した.本研究成果は,情報処理学会研究報告に発表している. 近年,分散環境での機器問の協調ではJavaが注目されているが,Javaの実行環境であるJava仮想計算機に関する研究も行った.特に,Javaを時間制約のある環境に適用する際に重要となるガーベジコレクションの処理方式について検討した.本研究で提案した処理方式では,ヒープ内のオブジェクトの状態に応じて,適切な時期にガーベジコレクション処理を行うことができる.また,ガーベジコレクション処理を行うスレッドの優先度を回収されるオブジェクトの価値に応じて動的に決定することで,ガーベジコレクション処理をその価値に相応しい優先度で実行している.これらによって,システム内のすべての処理の価値と時間制約を考慮したガーベジコレクション処理を実現している.以上の研究成果は,情報処理学会論文誌に投稿中である.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 水口 孝夫: "分散オペレーティングシステムSolelcにおけるファイル管理機構の構成と性能評価"情報処理学会論文誌. 44・SIG110(ACS2). 97-106 (2003)
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[Publications] 玉田 純子: "分散オペレーティングシステムSolelcにおけるメモリ操作のトランザクション化による耐障害性向上手法"情報処理学会研究報告. 2004・17. 41-48 (2004)