2003 Fiscal Year Annual Research Report
Grid P2P技術を用いたサービス指向型次世代計算環境に関する研究
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15700054
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊達 進 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (20346175)
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Keywords | セキュアファイルシステム / 広域計算環境 / Grid |
Research Abstract |
本申請課題実現のためのアプリケーションとして、近年その重要性が高まりつつある、医療、バイオに代表されるライフサイエンスをターゲットとし、そのためのサービス指向型次世代計算環境構築を目的とした研究開発を推進している。課題遂行1年目となるH15年度においては本課題申請時に記載したとおり、サービス指向型次世代計算環境構築めための、Grid P2P技術を用いた新しい基礎技術の研究開発を推進した。 H15年度における主な研究実績として、1)セキュアファイルシステムGSI-SFSの設計と実装、2)バイオデータ解析環境の広域実装、3)高い利便性を提供するポータル技術の開発、があげられる。1)のセキュアファイルシステムは、X509v3証明書を用いたグリッド認証基盤技術を利用して実現されたファイルシステムであり、本研究課題が目的とするサービス指向型次世代計算環境において、セキュアで利便性の高いデータアクセスを実現する基盤技術となる。実績2)は、中国、シンガポールおよび日本を接続するアジアパシフィック領域で、実績1)の基盤技術セキュアファイルシステムGSI-SFSを実際に用いて構築した広域計算環境である。構築された広域計算環境は、サービス指向型次世代計算環境の1形態を示すという意味で本研究課題の成果が認められる。3)についても、システムユーザの計算要求に柔軟に応えることのできるポータルシステム構築技術として上述した広域計算環境の構築に応用されている。本研究課題の平成15年度の最大の成果は、上述したように、アプリケーション構築の観点から実際に利用できるシステムおよび基盤技術を創造している点にあると考えている。次年度では、よりエンドーエンドで柔軟性の高いシステム構築および関連技術の研究開発を行っていくことを考えている。
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Research Products
(18 results)
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[Publications] Haruki Nakamura: "A challenge towards next-generation research infrastructure for advanced life science"New Generation Computing. Vol.22 No.2. 157-166 (2004)
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[Publications] 水野(松本)由子: "てんかんの後発射に対する電気刺激を用いた抑制の効果"臨床脳波. Vol.45 No.12. 773-777 (2003)
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[Publications] Rajkumar Buyya: "Neuroscience Instrumentation and Distributed Analysis of Brain Activity, Data : A Case for eScience on Global Grids"Concurrency and Computation : Practice and Experience. (in press). (2004)
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[Publications] 武田伸悟: "グリッドファイルシステムGSI-SFS"情報処理学会論文誌. 2003-OS-93. 97-104 (2003)
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[Publications] 市川昊平: "ジョブ特性を考慮した優先制御機構を有する脳機能解析システムの設計と構築"情報処理学会技術報告. 2003-HPC-94. 37-47 (2003)
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[Publications] 文宏宇: "IPv6によるスケーラビリティに優れたセキュアグリッド環境の構築"情報処理学会技術報告. 2003-HPC-94. 25-30 (2003)
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[Publications] 武田伸悟: "グリッドにおける大規模ファイル共有システムの構築"情報処理学会技術報告. 2003-HPC-95. 167-172 (2003)
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[Publications] 甲斐島 武: "グリッド技術を用いた効率的並列処理による脳機能解析システム"情報処理学会技術報告. 2003-HPC-95. 191-196 (2003)
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[Publications] 高坂貴弘: "OGSA-DAIによる異種バイオデータベースの連携手法とその評価"情報処理学会技術報告. CPSY2003-20. 7-12 (2003)
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[Publications] 甲斐島武: "グリッド環境における協調並列型ジョブのためのスケジューリングシステム"情報技術レターズ. 第2巻. 7-8 (2003)
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[Publications] 上田真由美: "メタデータを用いたバイオ情報データベース連携検索手法の提案"情報技術レターズ. 第2分冊. 71-72 (2003)
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[Publications] 市川昊平: "優先度による実効順制御を考慮した脳機能解析ポータル"情報技術レターズ. 第1分冊. 55-56 (2003)
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[Publications] Shinji Shimojo: "BioGrid project in Kansai : towards a Grid technology for advanced life science"Proceedings of Grid Computing and e-Science. (in press). (2003)
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[Publications] R.Buyya: "Composition and On Demand Deployment of Distributed Brain Activity Analysis on Global Grids"Proceedings of Grid Computing and e-Science. (in press). (2003)
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[Publications] Shingo Takeda: "A User-oriented Secure Filesystem on the Grid"Proceedings of The 3rd IEEE/ACM International Symposium on Cluster Computing and the Grid(CCGrid 2003). (CD-ROM). (2003)
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[Publications] Kohei Ichikawa: "A Framework Supporting the Development of Grid Portal for Analysis Based on ROI"HealthGrid Conference. (CD-ROM). (2004)
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[Publications] Takahiro Kosaka: "An OGSAS-Based Integration of Life Scientific Resources toward Drug Discovery"HealthGrid Conference. (CD-ROM). (2004)
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[Publications] 伊達進: "バイオグリッドプロジェクト「スーパーコンピュータネットワークの構築」"情報処理学会誌. 44巻、6号. 601-607 (2004)