Research Abstract |
本研究では,ネットワーク環境専用の高速大容量ネットワークプロセソサを計算機によって自動設計するシステム環境を構築することを目的とする.提案する高速大容量ネットワークプロセッサ設計システムは,仮想ネットワークプロセッサなるモデル化を計算機内部で行うことで,システムLSI設計におけるハードウェア/ソフトウェア協調設計の概念をプロセッサ設計に導入したものである.平成17年度には,提案構築中の高速大容量ネットワークプロセッサ設計システムにおけるソフトウェア設計ならびにソフトウェア合成に取り組んだ.特に,プロセッサの抽象記述から,プロセッサハードウェアを自動で合成するアルゴリズム開発,ならびに専用プロセッサ向けソフトウェア環境の自動生成に主眼を置き,さらに,提案システム全体の評価を行った.以下の手順に沿って研究を進めた. (1)平成15年度,平成16年度の研究成果を踏まえ,ネットワークプロセッサ上で動作するソフトウェア環境を自動で合成するアルゴリズムを考案,確立した.特に,ネットワーク連係処理を念頭に,1つのネットワークアプリケーションを,複数のサブプロセスに分割し,これらが連係して処理されるようなシステム構成ならびにネットワークモデルを構築し,体系化ならびに評価した.評価実験の結果,既存モデルに比較して,連係処理による設計空間の広がりにより,約20%程度のネットワーク性能の向上を見ることができた. (2)これまでに構築されたシステム環境によって設計されたネットワークプロセッサを,ハードウェア記述言語によって実現して,(1)で構築されたソフトウェアと共に,面積,動作周波数等の性能を具体的に評価した. 今後,残された研究課題は,提案したネットーワークモデルのアーキテクチャボトルネックの解消ならびによりスケーラビリティのあるシステム設計である.
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