光学シースルー型複合現実感空間におけるフォトリアリティスティック表現に関する研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15700096
• Research Institution: Kobe University
• Principal Investigator: 伴 好弘 神戸大学, 学術情報基盤センター, 助教授 (30314404)
• Keywords: 複合現実感ディスプレイ / 相互隠蔽 / 動的照明 / 実時間三次元計測 / フォトリアリスティックCG

Research Abstract

本研究では実時間で実物体と距離感の一致したCGの3次元表示と、CG表示のリアリティを高めるため、実物体との干渉を考慮した実時間陰影表現の実現を目指す。本年度は、以下に挙げる項目を実施した.
1.実物体と仮想物体から得られる3次元情報から相互陰影表現を実現する。
実時間3次元計測により得られた実物体の表面形状から隠蔽関係を考慮したCGの描画と,2次元パターン照明による実物体の視覚的な隠蔽表現ができる.また光源方向からの光の分布と,陰の部分の生成を行うことで,仮想物体・実物体の相互に陰影がついた表現を実現するための基礎的なアルゴリズムを構築した.
2.実時間フォトリアリティスティックCG生成に関して
上記項目で,光線条件を反映した相互陰影の付いたCGを生成するためにshadow cast法を採用した.この手法は,陰の計算に関して近似的な計算を行うことで実時間で物体相互に起きる陰を生成することができる.近似的な計算から,陰の精度に影響が及ぶ恐れがあったが,陰生成時の分解能を高い値にすることで,見掛けの矛盾などは生じない結果を得た.
3.机上型MRシステムへの実装に向けた検討
本システムを机上に展開するための検討を行うため,プロトタイプシステムを構築し,ユーザインタフェース部分の実現に向けた機能の開発に着手した.

Research Products

• [Publications] 河野武: "ウェアラブルコンピュータのためのビデオトラッキング用コード化マーカについての検討"日本バーチャルリアリティ学会論文誌. Vol8, No.3. 311-319 (2003)
• [Publications] 寺前雄亮: "複合現実感を利用した机上コラボレーションシステムの開発"日本バーチャルリアリティ学会第8回大会論文集. 533-534 (2003)
• [Publications] 河野武: "画像解析型手認識による片手入力インタフェース"日本バーチャルリアリティ学会第8回大会論文集. 567-568 (2003)
• [Publications] 喜多正登: "光学マーカを用いた指差し型メニューインタフェースに関する考察"日本バーチャルリアリティ学会第8会論文集. 571-572 (2003)
• [Publications] Takeshi Kawano: "A Coded Visual Marker for Video Tracking System Based on Structured Image Analysis"Proc.of ISMAR'03. 262-263 (2003)