2003 Fiscal Year Annual Research Report
人間の情報処理特性の工学的把握と支援システムへの応用に係わる研究
Project/Area Number |
15700109
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
関根 太郎 日本大学, 理工学部, 講師 (60287589)
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Keywords | 情報処理 / ヒューマンインターフェース / 視覚情報 / 支援システム |
Research Abstract |
本年度は,研究の初年度として,多様な作業状況下においての視覚情報量に対する人間の反応を視線行動・精神負荷の測定・解析を詳細分析し,広範囲の人間行動データベースを構築することを目的とした. 基礎実験として,平成14年度に構築した設置型ムービングベース搭載のドライビングシミュレータを用い,視覚反応実験を実施した.実験方法としては,一般交通環境下の運転を模擬し,アイマークレコーダにより被験者の視線の動きおよび瞬時心拍計による心電波形から精神負荷度を算出する。その際,年齢別,習熟度まで検討できる多量な被験者層を設定し,各層別に特徴を抽出することを試みた.また,上記実験を行う上で,同一被験者に対して複数の実験を実施し,結果のトレンドから学習効果を把握する事を試みた. 本年度は,模擬交通状況を分類し,特に実際の交通下で外部情報の見落としが多い交差点付近を取り上げ解析した. その結果,視線行動と運転行動(車両挙動)の特徴を数パターンの組み合わせに絞り込むことができ,右折と左折においても人間の情報処理の特徴を比較することができた.この結果により,限定された状況下ではあるが有効な情報提示などの支援項目ならびに支援のタイミングを提案する足がかりを得た. なお,今年度の目標に挙げていた年齢別の検討については,特に加齢者のデータ収集時に,視覚情報の収集の困難さや酔うなど問題があり,設定した有効数までは得ることができなかった.本年度で明らかになった問題点については,次年度以降の実験方法改善を検討している. 今後は,他の状況下との比較検討を行い自動車運転時の人間の情報処理の特徴抽出を行うとともに,データ数の追加を行いデータベース構築に必要な項目を絞り込む.
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