2003 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者向け情報機器インタフェース-視聴覚メディアを相補的に利用する情報端末の開発
Project/Area Number |
15700111
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
和氣 早苗 同志社女子大学, 学芸学部・情報メディア学科, 助教授 (00351289)
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Keywords | メール / 高齢 / タブレット / 手書き / ペン入力 |
Research Abstract |
電子メールは,もはやなくてはならないコミュニケーションツールである.しかし,高齢者に利用を薦められるメール環境は未だ十分なものはない.高齢者の電子メール利用のハードルの一つに文字入力の難しさがあげられる.我々は本年度,タブレットPCをベースにした高齢者のユーザインタフェース実験を行い,結果に基づき,メール環境の開発を行った. (1)タブレットPCを利用した高齢者向けユーザインタフェース実験 通常の手紙の読み書きが可能な高齢者10名に対して実験を行った. ディスプレイで文字を読む:フォントサイズを適切に調整すれば,問題なく読める.フォントは明朝体に比較して,線が太く文字がはっきりするゴシック体が読みやすく,好まれた.文字方向は,慣れの点から,縦書きが読みやすく,また好まれた. タブレットPCのインク機能を利用したペン入力:練習なしにも関わらず,全ての被験者が十分に読める字を書くことができた.紙への筆記文字と比較すると,タブレットの文字は崩れる傾向にあるが,読むことに影響を与える程の問題にはならなかった. タブレットPCの文字認識機能を利用した文字入力:平均認識率は79.0%であるものの,認識率の個人差が大きい.また,一文字でも誤認識が生じた場合に,それを訂正するための二次操作が必要になってくるため,利用は容易ではない. (2)タブレットPCを用いたメールソフトの開発 実験結果を踏まえメールソフトを開発した.特徴を以下に述べる. ・インク機能を利用したメール筆記と送信 タブレットPCのインク機能(ペンによる手書き文字入力)にて文面を作成し,それを画像ファイルとして送信. ・ユーザインタフェースのシンプル化 UIをできる限りシンプルにするために,メールモードの機能を必要最低限に限定. ・手紙メタファの採用 使い慣れてきた手紙のメタファを採用することにより,認知的負荷を少なくする.
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