2005 Fiscal Year Annual Research Report
回転同値類による形状特徴量を利用した3次元物体モデルの検索
Project/Area Number |
15700115
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Research Institution | National Institute of Multimedia Education |
Principal Investigator |
鈴木 一史 独立行政法人メディア教育開発センター, 研究開発部, 助教授 (90332147)
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Keywords | 回転同値類 / 3次元物体モデル / 類似検索 / 形状特徴量 / 回転不変 / 形状検索 / 例示検索 / ポリゴン |
Research Abstract |
バーチャルリアリティやコンピューターグラフィックス技術の進歩により、物体をデジタルデータ化し3次元物体モデルとして取り扱うことが容易になってきた。3次元物体モデルの数は爆発的な増加の傾向にあり、類似検索を行うことができるマルチメディアデータベース技術の必要性が高まっている。本研究では、90度の回転同値類の計算法を提案し、回転同値類を形状特徴量に応用することで簡潔な類似検索を実現する。回転同値類には回転に依存している特徴量を回転不変な特徴量へ圧縮変換する効果があり、これによって、高速な3次元物体モデルの類似検索を実現した。 グラフィックスハードウェアの発達により、3次元物体モデルが様々なソフトウェアやインターネットコンテンツとしてデスクトップコンピューター、PDA (Personal Digital Assistants)、携帯電話などで利用されるようになってきた。これまでは、3次元物体モデルを作成するために多くの作業と時間が必要であったが、CADなどのソフトウェアツールやレーザー等を利用した3次元形状計測装置などの利用により、3次元物体モデルの作成に必要な作業や時間が減少した。その結果、大量の3次元物体モデルが作成され、これらをデータベース化し効率よく利用する必要がでてきた。3次元物体モデルの類似検索には、様々な応用例がある。例えば、Web3Dを利用した電子商取引サイトで類似商品の検索、3次元化された電子美術館・博物館の展示物の形状分類、3次元CG・CADデータの再利用支援など様々な分野での応用が期待できる。3次元物体モデルをデータベースから検索するには、3次元物体モデルに付加されたキーワードによる索引を利用する方法がある。しかし、このような方法では、データ数が多い場合、キーワードを付加する労力も無視できない。また、キーワードを付加した人物の主観によって3次元物体モデルに対する評価や判断が異なるので検索結果にも影響がある。このような問題を解決するために、3次元物体モデルの形状を判別する値を客観的にアルゴリズムを用いて形状特徴量として自動的に抽出し、検索の索引に利用する手法がある。近年、3次元物体モデルの類似検索のための様々な形状特徴量が提案されている。形状特徴量は、回転に対して影響を受ける形状特徴量と、回転に対して影響を受けない特徴量(回転不変な特徴量)に分類することができる。本研究では、90度の回転同値類の計算法と回転同値類を応用した3次元物体モデルの類似検索を実現した。回転同値類には、回転依存する形状特徴量を回転不変な形状特徴量へ圧縮・変換する効果があり、一般に大きくなりがちな3次元物体モデルの形状特徴量の数を大幅に削減した。そして高速で適合率・再現率の高い3次元物体モデルの類似検索が可能になった。
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Research Products
(2 results)