2004 Fiscal Year Annual Research Report
テーマパーク問題におけるインテリジェントマスサポート理論に関する研究
Project/Area Number |
15700118
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川村 秀憲 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (60322830)
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Keywords | マルチエージェントシステム / テーマパーク問題 / 混雑情報 / ユビキタス情報提示 |
Research Abstract |
平成17年度は,開発したテーマパーク問題のマルチエージェントシミュレータを利用し,ITデバイスに誘導された群衆の行動と情報提示の効果について検討を行った。まず,基礎的な研究として,二叉路の先に二つのアトラクションがあり,その混雑状況が分岐点において表示されている場合に生じる基本的な混雑とその振動現象について明らかにした.このような状況において,全てのユーザが混雑状況に従ってその後の行動を決定した場合,行動選択が混雑に及ぼす影響の時間遅れの性質から,それぞれのアトラクションの待ち行列が振動し,全体として非効率な状態に陥ってしまうことが明らかになった.これは,混雑情報に感度の高いユーザが多くいる場合に一般的に生じる現象であると捉えられる.ここから徐々に混雑情報に関する感度を下げていった場合,全体の混雑度がより緩和されるということが確認できた.全てのユーザが混雑情報に不感であるときも混雑度が減少することはあまりないが,混雑情報利用ユーザとそうでないユーザがほどよく混合された状態で全体の混雑緩和は最大になる.すなわち,カーナビや携帯電話などを利用した混雑情報提示サービスなどを実現する場合,単に混雑情報を提示するだけでは全体の混雑を軽減できないことが示唆される.この結果を踏まえて,事前に混雑情報をサーバに登録し,提示される混雑情報に未来の予測を織り込んだ場合,効果的に混雑を解消できることが確認できた.今後はこの成果を生かして,より現実的なサービスを行うための仕組みについて検討を行う予定である.
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Research Products
(4 results)