2004 Fiscal Year Annual Research Report
機能オントロジーに基づく設計知識マネージメントの枠組みと展開
Project/Area Number |
15700131
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
来村 徳信 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (20252710)
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Keywords | 知識工学 / ナレッジマネージメント / オントロジー / 工学設計 |
Research Abstract |
人工物の概念設計においては機能がどのような効果を持ちどのような部分機能で達成できるかを表す機能的な知識が重要であるが,現状では記述がアドホックになりがちで設計者間で共有することが困難である.本研究では,従来から開発してきた機能を表す概念体系(機能オントロジー)に基づく機能的知識の記述の枠組みを実用レベルにまで展開することを目標としている.本年度では,設計知識の収集と蓄積を支援することを目標とした.まず,実際のドキュメントにおける語彙の性質を調査し,その具体例に基づいて分析と分類を行った.そのなかでもまず概念的な分析を行い,機能を表す概念として,機能を達成する手法を含意した機能概念や,改良設計行為の前後における装置の変化(改良点)を意味する機能概念,また,単に望ましい装置や材料の性質(正確には,属性と属性値の組である特性)を表す機能概念などが存在していることを明らかにした.次に,表層的な語句(機能語彙と呼ぶ)との関係を分析し,同じ機能概念を複数の機能語彙が表す関係や,概念に対してドメインの特殊性を付加した語彙などがあることを明らかにした.次に,これらに基づいて,(1)基盤概念層,(2)基本概念層,(3)語彙層,(4)領域語彙層の4層構造による機能概念・語彙の構造化手法を考察した.基盤概念層は機能概念オントロジーそのものであり,計算機的に厳密に記述された多段階層になっている.基本概念層は,ユーザが直接参照することが可能な程度に簡略化された階層として構造化されている.語彙層はユーザが一般的に用いる表層的語句であり,領域語彙層は領域固有性の高い語句を定義している.これらの層の概念や語句を相互に対応づけることにより,より柔軟な設計知識の記述と蓄積が可能になる.
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Research Products
(2 results)