2003 Fiscal Year Annual Research Report
統計力学に基づいたデジタル情報処理へのアナログ的アプローチに関する研究
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15700192
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
庄野 逸 山口大学, 工学部, 助教授 (50263231)
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Keywords | 画像修復 / ベイズ推定 / 平均場近似 |
Research Abstract |
画像修復および符号に関してベイズ統計の枠組みに基づいて議論を行い、平均場近似に関する理論的研究を行った。画像修復においては単純なパラメータで記述されるものとし、最近傍の画素がどの程度似ているかということを確率的に表すことにより、ベイズ統計の事前確率を与え、この画像が確率的なノイズによって汚されたときの修復に関して議論を行った。最初の実験として用いた画像は写真等で用いる自然画像ではなく統計的なパラメータがユニークに定まる画像を多数生成したものを用いた。ベイズ推定を用いた画像修復においては、何らかの意味で事後確率の最大化を考えることになるが、この計算を行う際には考えられうる全ての画像についての確率値を計算必要が出てくるため、何らかの近似が必要となる。ここでは画像修復の枠組みを理論的な立場で扱うために平均場近似と呼ばれる近似手法を用いた。結果として理論解析で与えられた解と平均場近似のシミュレーションで得られた画像はよく一致し、精度の良い修復画像が得られるととがわかっている。ただし精度の良い修復画像を得るには、画像を生成する事前確率に含まれるパラメータ(ハイパーパラメータ)の推定も同時に行うことが必要である。本研究では可解確率場モデルを用いることによって厳密解を求めることが可能である。その上で、ノイズで汚れた観測画像に対して周辺尤度最大化によってハイパーパラメータ推定を行い、このパラメータを以って画像推定を行った場合と厳密解との比較を行うことによって平均場近似の修復精度の良さを議論した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Koganeyama M., Sawa S., Shouno H., Nagao T., Joe K.: "An effective evaluation function for ICA to separate train noise from terullic current data"Proc.of ICA 2003 (4^<th> International Symposium on Independent Component Analysis and Blind Signal Separation). (2003)
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[Publications] 高田雅美, 山本義暢, 庄野逸, 功刀資彰, 城和貴: "擬似スペクトル法を用いた乱流場の直接数値シミュレーションの並列化と性能評価"情報処理学会論文誌:コンピューティングシステム. Vol.44 No.SIG6. 45-54 (2003)
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[Publications] 田仲和之, 庄野逸, 吉池紀子, 岡田真人: "ガウス模型に基づく画像修復と確率伝播法"2003年情報論的学習理論ワークショップ(IBIS2003). 83-88 (2003)
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[Publications] 小田敍弘, 木戸尚治, 庄野逸, 上田克彦: "胸部単純X線写真における経時差分画像を用いた結節状陰影の自動検出システムの開発"電子情報通信学会論文誌D-II. J87-D-II No.1. 208-218 (2004)
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[Publications] 田中和之, 庄野逸, 岡田真人: "ガウス模型を用いた確率的画像処理におけるベーテ近似の精度評価"第59回物理学会全国大会予稿集.
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[Publications] 高田雅美, 柴山智子, 渡辺智恵美, 庄野逸, 城和貴: "iアプリを用いた数値計算の可能性"情報処理学会論文誌:数理モデル化と応用. (採録予定). (2004)