2004 Fiscal Year Annual Research Report
カーネルヒルベルト空間を用いたセミパラメトリック法とその高次元データ解析への応用
Project/Area Number |
15700241
|
Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
福水 健次 統計数理研究所, 統計基礎研究系, 助教授 (60311362)
|
Keywords | 統計的データ解析 / セミパラメトリック / カーネル法 / ヒルベルト空間 / 変数選択 / 次元削減 |
Research Abstract |
本研究は、正規性などの単純な分布の仮定をおかずに高次元データを統計的に解析する手法を確立することを目的としており、そのために変数間の統計的依存性をカーネルヒルベルト空間によって抽出するという、新しいアプローチを探求している。平成16年度は、以下に挙げるように主として理論的な考察を行った。 1.すでに提案している次元削減・変数選択の手法のひとつの問題点であった、計算量を削減のためのアルゴリズムの改良を行った。理論的考察に基づいた近似によって、従来のアルゴリズムの10分の1程度の計算時間で、ほぼ同精度の次元削減が実行可能となる方法が得られた。 2.重みつきの離散データなど、確率測度とみなせるデータの類似度を測るための新しいカーネルを提案し、基礎的な実験的検討として画像の識別問題に応用して比較的良好な結果を得た。この結果に関する論文は現在投稿中である。 3.平成15年度からの継続として、クラスタリングのための類似度行列を構成するカーネル法の新しい手法を検討した。この課題は平成17年度も継続していく予定である。 4.有限サンプルに基づいた作用素の推定量の収束性に関する理論的検討を行い、中間的ないくつかの結果を得た。最終的な結論を得るべく、平成17年度も継続する予定である。 5.カーネルの確率過程的な見方によって、さまざまな既存のカーネルの線形結合によってより有効なカーネルを設計するための基準を得た。平成17年度においてさらに詳しく検討する予定である。 また、現在までの研究成果をまとめた「特異モデルの統計学」を執筆、出版した。
|
Research Products
(7 results)