2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15700259
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
勝山 裕 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10359862)
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Keywords | 神経機能 / 遺伝子発現調節 |
Research Abstract |
ユウレイボヤcDNAライブラリーより神経遺伝子約50個を得た。30についてin situハイブリダイゼーションを行い幼生および初期胚での発現パターンを調べた。8つの遺伝子についてはその発現を検出することが出来たが、その多くは幼生の脳(感覚胞)全体で発現しているように見えたKChIPに配列的類似を示す遺伝子が幼生脳の少数の細胞でのみ発現していることがわかった。この遺伝子に関してはプロモーター配列の単離を試みた。また脊髄特異的な遺伝子発現を再現するゲノム断片を得ることが出来た。 以上のことからホヤ幼生の脳は少数の遺伝子に関しては発現のヘテロジェナイティを見せるが、基本的に遺伝子発現に関しては均一な組織と考えられ、本研究の目的である脳での遺伝子発現の多様性について調べるには必ずしも適当な材料であるとはいえないことがわかった。 よって我々は遺伝子導入が比較的容易であり遺伝子情報が蓄積されているゼブラフィッシュを用いて研究を進めることにした。発現に多様性を見せ、かつ神経機能に本質的な遺伝子としてグルタミン酸受容体遺伝子に着目し、この遺伝子の発現パターンを調べることにした。これまでに我々はゼブラフィッシュから9つのmglur遺伝子をクローニングした。これらの発現パターンをin situハイブリダイゼーションによって調べた結果、1つを除いては受精後24時間胚は明瞭な発現が見られた。受精後5日目までは発現が増加した。ここまでのステージではこれらの全ての遺伝子の発現は後脳よりも前方の領域に限定されていたが、初期(受精1日目胚)では脊髄の神経細胞において発現が見られる遺伝子もあった。発現パターンは哺乳類での報告されている相同遺伝子の発現とは必ずしも類似性を見せない。それぞれに遺伝子は各々に特異的な発現パターンを示すので、今後この遺伝子群の発現調節について詳細な研究を行っていこうと考えている。
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