2004 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス可塑性におけるカルモデュリンキナーゼの動的な機能発現の場の可視化
Project/Area Number |
15700269
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阪上 洋行 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90261528)
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Keywords | カルシウム / プロテインキナーゼ / カルモデュリン / 転写因子 / 神経可塑性 / 核 / 海島 / 樹状突起 |
Research Abstract |
本研究では、神経可塑性の形成過程で重要なカルシウムシグナル伝達機構の一つであるカルモデュリンキナーゼ(CaMK)のうち、特にこれまで研究の立ち後れていたCaMKIに着目して、以下の成果をあげた。 1 新たな核へのカルシウムシグナル分子としてのCaMKIδ:CaMKIδの遺伝子発現解析により、海馬錐体神経細胞に際立った強い発現様式を示すことを明らかにした。また、初代海馬神経培養細胞において、遺伝子導入したCaMKIδは、無刺激下において主に細胞質と神経突起に局在し、カルシウム刺激により核へと移行することを明らかにした。また、この核への移行は、CaMKIδの活性化が重要であること、また、PC12細胞系を用いて、CaMKIδの遺伝子導入により、CREB依存的な転写活性が著明に増強することを明らかにした。これらの結果より、CaMKIδが、神経活動依存性に核内に移行し、神経可塑性に深く関与しているCREBなどの転写因子のリン酸化を介した遺伝子発現の調節に関与している可能性が考えられた。 2 神経樹状突起の形成へのCaMKI機能関与:海馬発達過程における発現解析により、CaMKIβ2とδ,分子が、生後1から2週齢においてその発現のピークが認められることより、海馬神経初代培養細胞を用いて、CaMKI不活性型変異遺伝子を導入し、樹状突起の形成への影響を検討した結果、樹状突起の形成が著明に抑制された。これらの結果より、CaMKIが海馬神経細胞の樹状突起の形成に機能関与している可能性を初めて明らかにした。
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Research Products
(6 results)