2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15700276
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
北川 道憲 熊本大学, 発生医学研究センター, 助手 (30314496)
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Keywords | 神経分化 / P19 / レチノイン酸 / NeuroD / NDRF / テトラサイクリン / マイクロアレイ |
Research Abstract |
NDRF/NeuroD2は、NeuroDファミリーに属するbHLH型の神経分化制御因子であり、遺伝子破壊マウスの解析から胎児の小脳形成において重要な役割を果たす事が知られているが、その標的となる遺伝子は不明である。我々はNDRFの標的遺伝子を探索することを目的として、マウスの未分化胚性腫瘍細胞P19細胞から、テトラサイクリンによってNDRFならびにそのドミナントネガティブ型NDRFを誘導発現することが可能な細胞株を樹立し、マイクロアレイ解析を用いて幾つかの標的候補遺伝子を見出した。 今年度は、それら候補遺伝子の神経系組織における発現分布をNDRFと比較し、標的遺伝子としての可能性を検討した。まず、神経組織形成過程におけるNDRFの発現部位を検討するために、抗NDRF抗体を作成し、マウス脳の幾つかの発生段階における切片を抗体染色した。NDRFは、生後5日目の脳では大脳皮質と海馬に、成体においては大脳の海馬と歯状回・小脳皮質の分子層と顆粒細胞層に発現が見られた。同様に、幾つかの標的候補遺伝子について発現部位を解析したところ、bHLH型転写因子の機能阻害因子であるId1が生後5日目の小脳顆粒細胞層に発現しており、NDRFの発現部位と一致した。しかし、大脳皮質・海馬においては発現の一致が見られなかった。一方、培養細胞においてNDRFと発現の相関が見られたBLBPは、胎児期・新生仔・成体のいずれにおいてもNDRFと発現部位が一致しなかった。今後は、標的候補遺伝子の一つとしてId1遺伝子に着目し、その転写活性に対するNDRFの機能について解析を進めたい。
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