2003 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウム・カルモデュリン依存性プロインキナーゼIIの細胞内局在決定機構の解析
Project/Area Number |
15700290
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹内 有輔 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (90336214)
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Keywords | Ca^<2+> / カルモデュリン依存性プロテインキナーゼII / 線条体 / δアイソフォーム / NG108-15細胞 / 可変領域 |
Research Abstract |
Ca^<2+>/カルモデュリン依存性プロテインキナーゼII (CaM KII)は細胞内に増加したCa^<2+>とカルモデュリンの複合体により活性化される蛋白質リン酸化酵素であり、神経系に特に高濃度に発現している。CaM KIIは、4種類のα、β、γ、δサブユニットが存在しており、さらに、サブユニット間で相同性の高い触媒領域と会合領域の間に存在する可変領域のスプライシングの違いにより、それぞれ数種類のアイソフォームが報告されている。この可変領域がCaM kIIの細胞内局在に関与すると考えられている。本研究では、まず、ラット脳線条体においてCaM KIIサブユニットか細胞内のどの分画に豊富に存在するかを、細胞分画後にそれぞれのサブユニットに対する特異な抗体を用いた免疫ブロットにより検討した。さらに、CaM KIIのδ1、δ3、δ4アイソフォームの安定発現細胞株をNG108-15紳胞に確立し、それらのアイソフォームの細胞内局在について細胞分画法により検討した。ラット脳線条体において、報告されているようにαサブユニットはシナプシンIと同様の局在を示したが、β、γ、δサブユニットはそれとは異なり、それぞれ特有の局在を示した。即ち、CaM KIIサブユニットはそれぞれ、特有の細胞内局在性を持ち特異的な機能に関与していると考えられる。さらにアイソフォーム間での細胞内局在の差異について、δ1、δ3、δ4アイソフォームの安定発現細胞株を用いて検討した。δ1、δ3、δ4アイソフォームはそれぞれ異なる可変領域を有するが、それぞれ特有の細胞内局在を示した。これらの結果は、可変領域が細砲内局在決定に重要な役割を担っていることを示しており、個々のサブユニット及びアイソフォームの細胞内局在の同定は、CaM KIIの機能解明へのアプローチとして一つの有用な手段だと考えられる。
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Research Products
(1 results)