2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15700322
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斎藤 逸郎 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (80334225)
|
Keywords | 燃料電池 / 体内埋込 / 酸化チタン / 乳酸 |
Research Abstract |
燃料電池の作成と空気と乳酸液を用いたin vitroによる評価を行った。燃料電池の負極は、グラファイトに酸化チタンを含む溶液を浸し乾燥させることで作成した。陽極は白金黒をそのまま用いたと電解質としては乳酸液を用いた。陽極にはポンプにより空気を送り込むことで酸素の供給を行った。燃料電池の評価は適当な負荷をつなぎ電圧と電流とを計ることで行った。 乳酸の酸化チタンによる分解は単独でもある程度は行われるものの微量であり、そのままでは大電力の供給は困難であった。十分に分解を行うにはある程度の光量が必要とされる。そこで,乳酸濃度や含浸方法を変えることで乳酸の分解量を増やすとともに,皮膚を透過した程度の光量を与えたときに分解量にどの程度変化が現れるか検討を行っている。 酸素の供給も発電量に大きく影響を受ける。現在の方式は空気を直接吹きかける方式であるため,酸素の供給量は乳酸の分解による水素の発生量と比較して十分高いものと考えられる。生体中では溶媒を通しての供給となるため酸素供給が課題となる。酸素飽和度の高い溶媒を用いた酸素供給や人工血液を用いた酸素供給の検討を行っている。 乳酸の分解生成物による発電量への影響はあると考えられる。また分解生成物にはアセトアルデヒドなども含まれており、生体に対する毒性の問題もある。これらの定量評価を行うとともに分解生成物の無害化を行い生体の物質循環に戻す方式の検討を行うほか,酸化チタン以外の物質を用いて乳酸を分解することで有害な分解性生物が発生しない方法の検討も行っている。
|