2003 Fiscal Year Annual Research Report
脳神経外科手術支援精密レーザ治療ロボットシステムの開発
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15700349
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
正宗 英津子 (小林 英津子) 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 講師 (20345268)
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Keywords | 低侵襲治療 / 手術支援ロボット / 脳神経外科 / レーザ治療 / 三次元計測 |
Research Abstract |
本年度はレーザ位置決め装置及びオートフォーカス機構を開発した.レーザ位置決めは,XYステージによる機構を採用し、レーザオートフォーカシング装置には,蒸散レーザの焦点位置を通過するように設置されたガイドレーザと計測用小型CCDカメラを用いた三角測量法によるレーザ焦点位置計測法を採用した.これにより、装置全体の小型化を図った.ガイドレーザには波長532[nm]の緑色半導体レーザを用いた.また,適用波長746[nm]〜910[nm]の半導体レーザ光用遮光カーテンをフィルタとして用いることで,赤色領域のノイズを軽減した.フォーカシングの具体的な流れは以下のとおりである.モータへ駆動命令を送った直後の画像を取得し画像処理を開始し、それと平行してモータが駆動する.画像処理及び,モータ駆動にかかる時間の平均値はそれぞれ,0.08[sec],0.10[sec]程度である.レーザ位置決め及びフォーカシングにはステッピングモータを用いた. 傾斜角45度の斜面に対し,傾斜方向に2mm/secの一定速度で進みながらフォーカスを行い,装置の追従性を評価した結果,上り時の誤差の平均値は約0.56[mm],下りでは約0.50[mm]となった.この誤差の主な要因は,画像を取得してからその結果が反映されるまでに,画像処理+モータ駆動分の時間を要するからと考えられる.この遅れ時間は実際には0.18[sec]程度であり,今回の実験条件では,この時間遅れだけでも0.36[mm]の誤差が出たと考えられる.よって各処理にかかる時間を改善することにより,さらなる向上が得られることが示唆された.さらにブタの脳に対して動作実験を行った結果,脳表面の状態によってフォーカスの性能が大きく左右されたものの,大脳皮質上では良好なフォーカシングが行われ,大脳皮質に対する本装置の有効性が示された.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] E.Aoki, E.Kobayashi, H.Inada, S.Omori, T.Maruyama, H.Iseki, Y.Muragaki, K.Takakura, I.Sakuma: "Development of an automatic focusing system for a precise laser ablation system in neurosurgery"Computer Assisted Radiology and Surgery. 514-521 (2003)
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[Publications] 野口雅史, 青木英祐, 小林英津子, 大森繁, 村垣善浩, 伊関洋, 佐久間一郎: "脳腫瘍治療レーザ手術装置用オートフォーカス機構の開発"第12回日本コンピュータ外科学会大会/第13回コンピュータ支援画像診断学会大会合同論文集. 35-36 (2003)