2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15700350
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
天谷 賢治 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (70251642)
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Keywords | 光CT / 逆解析 / 先験情報 / 光拡散方程式 / 医用工学 / 有限要素法 / 近赤外線 |
Research Abstract |
本研究では、近赤外光を生体に照射して,生体組織や血液の酸素濃度分布を描き出そうという光CTにおいて生体組織の光学的先験情報を利用した,高精度な反射型光CTアルゴリズムの開発中である。 本年度は生体内における光伝播解析の精度を向上させること,光CT逆問題における逆解析手法の精度および効率を向上させることを目的とし,光伝播解析手法および逆解析手法を提案した.光伝播解析においては多桁にわたる光の強度分布を高精度で解析するために光の強度を対数に変換し,対数変換した強度についての支配方程式を解く手法を提案した.対数への変換により光の強度分布は微弱強度域が拡大されるため,高い精度を得ることができることを確認した.逆解析においては光CT逆問題の対象を脳機能計測や脳内血腫等の同定問題とし,酸素濃度分布の変化量について逆問題を設定し,対数変換した強度の変化量についての観測方程式を解く手法を提案した.本手法を適用することで光の強度を対数変換する効果に加え,強度の変化量に解を陽に表現することができるため,効率および精度が向上することを確認した.生体内光伝播解析および光CT逆問題の解析例を示し,本手法の有効性を確認した. 本年度は,高精度光伝播解析有限要素法プログラムおよび光吸収率の分布を同定する逆解析プログラムを,作成・評価・改良を繰り返して,開発した. ●計測値を有効に活用するため,光伝播解析を高精度で行うための有限要素プログラムを開発した。多桁に及ぶ光の強度分布を高精度で解析するために,光の強度を対数に変換し非線形方程式を導いて解く手法採り入れた。本プログラムの有効性を検証するために実際の計測値と解析値を比較する検証実験を試みた。 ●光吸収率の分布を同定する逆解析プログラムを開発した。生体の光吸収率を同定する際に,吸収率に関して生体組織が取り得る値という先験情報を利用できるようにした。提案した手法の有効性を確認するため,簡略化した頭部モデルの一部で解析を行い,先験情報の利用も含めて本手法の有効性を確認した。 以上の結果を学会発表した。
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