2005 Fiscal Year Annual Research Report
精神生理学的指標を用いた発達障害児の感覚情報処理機能障害評価の開発
Project/Area Number |
15700369
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
太田 篤志 広島大学, 大学院保健学研究科, 助手 (40274063)
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Keywords | 発達障害 / 精神生理学的評価 / 感覚情報処理 |
Research Abstract |
感覚刺激に対する特異的な反応(感覚調整障害)を示す発達障害児の評価方法について、精神生理学的指標による検査を開発することが本研究の目的である。今年度は、発達障害児データについて感覚調整障害の指標として現在利用されている行動質問紙「日本感覚インベントリー:JSI-R」と触覚刺激によって誘発される精神性発汗との関連性について検討した。 対象は、研究参加への同意が得られた軽度発達障害児27名である。平均年齢は9才4ヶ月であり、男児24名、女児3名である。精神性発汗はスキノス製発汗計SKD-2000を使用し、対象児の右手母指球部にて測定した。発汗誘導刺激は日本版感覚統合検査の下位項目である触覚感知の手法を転用した。これは前腕部をナイロン糸にて1.8gの圧で刺激するものである。刺激は連続3回行い、その際に生じた発汗量の変化を、刺激提示直後の発汗量に対する刺激後の最大発汗量の割合(発汗変化率)として各々算出した。また反応の馴化傾向をとらえるため1〜2回目及び2〜3回目の発汗変化率の差についても算出した。分析の結果、JSI-Rにて「感覚探求」及び「感覚過敏」の傾向を示す群は発汗における馴化が生じにくい傾向、JSI-Rにて「低登録」の傾向を示す群は発汗変動率が低い傾向がみられたが、統計学的有意差は認められなかった。またJSI-R下位項目スコアと発汗特性の関係では、JSI-R体性感覚系44項目中、11項目に発汗変化率もしくは馴化傾向において統計学的有意差が認められた。 以上の結果より、発達障害児にみられる感覚情報処理の特性(感覚調整障害)の一部は精神性発汗と関連性を持つことが示唆された。しかし行動特性から予測された発汗傾向を一貫して示してはおらず、精神性発汗測定を用いた発達障害児の感覚情報処理機能障害評価の妥当性を十分に示すことはできなかった。
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Research Products
(1 results)