2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15700374
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
清水 忍 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (90286386)
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Keywords | MRI / 運動皮質 / 把持動作 |
Research Abstract |
目的:本研究は,脳損傷により手指に運動麻痺があり,物の把持ができない患者に対する効果的なリハビリテーションの方法を見つけだすことを目的とする.このためには,把持動作の日常的使用に必要となる,対象物および使用手の選択と運動の実行に関係する脳領域を明らかにすることが必要である. 被検者:神経学的疾患の既往がない右利き健常大学生22名で,実験に対する承諾が得られたものを対象とした.22名中10名はfMRI,12名は近赤外線分光法(NIRS)を用いて実験を行った. 使用機器:fMRI(Siemens Symphony 1.5T),近赤外線分光法(NIRS:Shimadzu OMM-2001) 測定方法:課題には(1)右手で右側の装置を使用,(2)右手で左側の装置を使用,(3)左手で左側の装置を使用,(4)左手で右側の装置を使用,の4つの課題を用い,これらの課題時の脳活動をfMRI,またはNIRSを用いて計測した.課題(1)〜(4)は,被検者に視覚刺激を提示することによってランダムに行わせた.なお,NIRSの測定部位は前頭葉から頭頂葉にかけての42chとした. データ解析:fMRIのデータ解析には画像解析用ソフト(SPM99)を使用し,課題(1)〜(4)の比較から,それぞれの課題に関係した脳活動を求めた.NIRSについても同様に,各課題時の脳活動について比較した. 進行状況および平成17年度の計画:現在,これまでに測定した健常者におけるfMRIおよびNIRSのデータを解析中である.fMRIの解析結果からは,これらの課題時には運動前野,補足運動野,前補足運動野などが賦活することが明らかとなった.来年度は,これらのデータの解析をさらに進め,利き手の影響などをより明確にしていく予定である.
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